富山大学人文学部案内2018
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20●卒業論文に採り上げられた研究テーマ例日本語学演習の一例 古写本を用いて実際に読み解く授業です。中国言語文化演習の一例 漢籍を皆で会読し、文献の読解方法を学ぶ少人数授業です。朝鮮文学・中国文学の専門書小助川 貞次(こすけがわ ていじ)教授教育研究分野/日本語学 私は、現在、中国黒竜江省にある佳木斯大学外国語学院日本語学科で日本語を教える外国人教師として勤務しています。 私が、学生生活を過ごした東アジア言語文化コース日本語学研究室では、地元である北陸地方のみならず、三重県伊賀市や大阪府泉南市、奈良県奈良市といったよその地域にも出かけて行って、各地の方言(地域日本語)について、フィールドワークをもとにした研究に取り組んでいました。また、在学中には、台湾宜蘭県で原住民の方々が使用する日本語の調査や、タイ・バンコクにある国立開発行政大学院大学や中国山東省にある山東大学にも出かける機会にも恵まれました。 このほか私が学んだ日本語学研究室は、方言研究や社会言語学、文字研究や漢字訓読に関する共同研究の拠点になっていて、国際シンポジウムの開催などで多くの著名な先生方が頻繁に訪問され、親しくお話を聞くようなことも少なくありませんでした。 大学は、自分自身で目標を決め、向上心をもって学び続けるしかないのですが、日本各地の人びとに出会い、交流し、多くを学んだこと、海外で日本や日本語に強い関心をもつ人びとに出会ったことが、学び続ける気持ちを高め、今の仕事に生きていると思っています。 東アジア言語文化コースには、高校までの国語と親和性のある日本語学、日本文学と、普段見たり聞いたりして馴染みはあってもこれまで勉強したことのない朝鮮言語文化、中国言語文化とがあります。東アジアは歴史をさかのぼってみると、中国の言語、文化、制度、思想が漢字漢文を媒体にして広く行き渡っていて、漢字文化圏(ベトナムも含まれます)と呼ばれることもあります。欧州のラテン語文化圏と肩を並べていると言ってもいいでしょう。このような大きなくくりの中で、それぞれの言語を中核にすえて様々なことを深く勉強できることはとても魅力的なことです。また本コースでは、協定校との交換留学や短期語学研修に参加する学生だけではなく、海外からの留学生(主に中国、韓国、ベトナム)が多く在籍しているのも大きな特徴で、日常の講義室や演習室がそのまま国際交流の場となっています。私たち教員は、みなさんが本コースで勉強し、世界に羽ばたけることを応援しています。国内外での多くの出会いや交流が、今の仕事に生きている。留学生が多く在籍し、日常の教室が国際交流の場に。大徳 繭花(おおとく まゆか)さん佳木斯(ジャムス)大学外国語学院日本語学科 外国人教師 2016年卒業31232■日本語学■日本文学「無敬語地域の待遇表現―和歌山市をフィールドとして―」「富山市における待遇表現レル・ラレルとは何か」「漁村における敬語と意識―富山県黒部市生地をフィールドに―」「定家本『伊勢物語』における平仮名の研究」「『源氏物語』における夕霧の位置づけ」「近松世話浄瑠璃における『丹波与作待夜のこむろぶし』の意義」「日本近代文学に見る心中」「横溝正史「八つ墓村」に見る都会と地方」■朝鮮言語文化■中国言語文化「韓国映画で見る‘大学生’像―大学生と彼らを取り巻く環境や人物―」「韓国のTwitterにおける言語使用―文末の様相を中心に―」「現代韓国の広告における韓国語」「木蘭故事(ムーランものがたり)の小説化」「中国神話における蚩尤像」「曹文軒『暮色籠罩的祠堂』考察」「六書について」富山大学 人文学部案内 2018ギ ランジャムスProfessor's Voice教員からのメッセージOB・OGVoice卒業生からのメッセージ

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