富山大学医学部 学部案内2017
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看護学を志す目指す皆さんへ基礎看護学1 准教授 吉井 美穂(1997年 卒業)富山大学で「看護学」を学ぶ医学薬学教育部博士後期課程 1年 中野  元(2010年 卒業)16 私は,富山大学(旧富山医科薬科大学)医学部看護学科の第一期生です。こんなことを言うと怒られそうですが,私が富山大学の看護学科に入学したのは単に偶然であり,はじめから看護師になりたいとの明確な意思を持っていたわけではありません。大学入学当初,それまで「看護学」について深く考えたことの無かった私は,多くの先生から「看護学」について沢山の教えを受けましたが,あまりに奥が深く難しい学問で,興味よりも抵抗感が勝っていたのを覚えています。そんな中,関心を持った科目が「微生物学」でした。「微生物学」では,自分の知らないミクロの世界を覗くという神秘的なところに興味をそそられたのですが,その講義の中で言われた一言が私を変えました。それは,「看護師さんというのは,患者さんに一番近い所にいて,発見が沢山ある。」ということです。今にして思えば当たり前のことですが,その時の私には「看護」とはそういう仕事なんだと初めて気づいた瞬間でした。そして,そこからが私にとって本当の意味での「看護学」という学問の学びの始まりでした。 今,このメッセージを読んでいる皆さんの多くは,すでに看護あるいは医療といったことに興味をもっていることと思います。そのような皆さんであれば,私以上に多くのことを大学という場で気づくことができるでしょう。また,もし今は読んでみただけという人も私がそうだったように,きっと何かのきっかけで「気づき」を見つけることができると信じています。さらに富山大学では看護学科,医学科そして薬学部と共同で学ぶ機会もあります。様々な専門分野を専攻した仲間と領域を超えて共に語り合うことで学びも深くなり,大学卒業後も皆さんの力になっていくことと思います。 とはいえ,やはり学問を学ぶというのは大変なことです。「看護学」を学ぶのも例外ではありません。しかし,友人や先生,また知識や技術を身につけるといったその過程で得られるものは,その時にその場所でしか手に入れられない貴重なものであり,あなただけの一生の宝物となることでしょう。 私は大学院修了後,富山医科薬科大学医学部附属病院での看護師勤務を経て,現在,富山大学で教員をしています。私も本学の教員として,また先輩として皆さんの大切な宝物作りのサポートができればとても嬉しいです。是非,富山大学で看護師に向けての第一歩を踏み出してみませんか?多くの皆さんとお会いできることを楽しみにしています。私は,最初から看護師という職業になりたいと思っていたわけではありませんでした。私の家は母が看護師をしており,また姉も看護大学に通っていたという環境だったため,進路に迷っていた時に親の勧めもあり富山大学看護学科を受験しました。大学生活では同じ看護学科の友人はもちろん,医学科,薬学部,部活動の先輩後輩,アルバイト先の友人など多くの人と出会うことができました。学業に部活,アルバイトなど多くの事をしていると時間が無いと思うかもしれませんが,だからこそ時間の使い方を学ぶことができると思います。学部ではやはり実習が一番心に残っています。実習中は不安や悩み,わからないこともたくさんありますが,同じ班のメンバーで悩みを共有したり,先生方の的確な指導を受けることで,患者さんの個別性を捉えた援助を考えることができました。また,患者さんと向き合い,関わる事で多くのことを学ぶことができました。そんな中,修士課程に進んだのは他の人と何か違いが欲しいと思ったからです。大学院では温熱療法による自律神経や脳活動の変化について研究を行い,看護技術がどのように生体に影響を与えているのかを実験していました。臨床現場だけではできない様々な体験を通して,研究や教育を学ぶことができるのが大学院進学の大きな魅力だと思います。修士課程を修了後,富山大学附属病院で看護師として泌尿器科,口腔外科,皮膚科の混合病棟で4年間勤務し,現在は集中治療室で勤務しています。実際に臨床で働いてみて実感したのは多角的に患者さんのことを考えることができるようになったことだと思います。新人の時は,何もできないことや失敗に対する不安,学ぶことの多さから看護の楽しさを感じることができなかったこともありますが,患者さんとのコミュニケーションや,「ありがとう」という言葉,笑顔で退院される患者さんを見送る時,看護の楽しさや喜びを感じ,それが今まで看護師を続けることができた理由だと思います。5年目の現在は集中治療室で働きながら博士後期課程へ進学しました。博士後期課程では臨床・生体機能看護科学分野を専攻しています。修士課程の時とは違い働きながらの学業となりますが,これからの数年間で看護技術の理解をより深めることができると思うとワクワクしています。富山大学は看護師としての知識や技術を向上させるためには恵まれている環境だと日々実感しています。皆さんにお会いできる日を楽しみにしております。先輩からのメッセージ看護学科

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