富山大学薬学部案内 2018
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12薬学科5年生では、薬局実習2ヵ月半・病院実習2ヵ月半の実務実習があり、実際の臨床現場で薬剤師の業務を勉強します。薬局では調剤業務や服薬指導、在宅訪問をさせていただき、病院ではチーム医療にも同行しました。服薬指導では、患者さんとの会話の中で薬の効き目や副作用状況を聞き取り、その症状がどの薬剤に起因する症状であるのか判断することが難しかったです。毎日分からないことばかりで私自身の知識の乏しさを痛感しましたが、5ヵ月の実習を経て、多くのことを学ぶことができました。実習を通して、薬剤師は患者中心の医療を目標に、患者さんにあった処方提案を行う責任ある立場であると実感しました。また、人との関わりが大きい現場であるため、どの場面においてもコミュニケーション能力が重要であると感じました。実習後は自分が所属する研究室での研究活動に励み、セミナーや学会発表を経験しながら、卒業研究を進めています。実習や研究活動は大変ではありますが、週末には友人や家族と過ごしてリフレッシュし、充実した生活を送っています。薬学部4年次生では、3年次に配属された研究室で引き続き研究を行います。どの研究室も特徴のあるテーマを扱っており私の研究室ではヒトの病気を模したモデル動物で主に実験を行っています。時間割の例をみるとずっと実験をしているようにもみえますが実験以外にも、自分の実験に関連した論文や基礎知識を補うために図書館で借りた本を読んだり実験で使う試薬の設計などもしています。1~3年次での授業はそのほとんどが受け身で、習ったことを覚えるというのがメインでしたが研究をするようになって自分から必要な知識を得るために勉強するようになりました。また、研究をしていて思うのは授業を真面目に受けていてよかったということです。当時は何の役に立つかイマイチわかりませんでしたが、いざ研究をするにあたり、1~3年次での授業で習ったことが当たり前のように出てきます。それを基礎にして新たに自分の研究に関する知識を積み重ねていくため新しい知識や手法などがすんなりと理解できることが非常に多いです。研究の話ばかりでしたが研究以外には、平日の夕方以降や土日に趣味のボルダリングをしたり子供に医療や薬のことを教えるボランティアをしたりお気に入りのバンドのライブに行ったりもします。研究をするのもおもしろいですが研究以外のことをしているときの方がいいアイデアが浮かんでくることが多いです。高校生のときには想像していなかったようなことを楽しんでいることがたくさんあるので、大学生になったらいろいろ挑戦してみてくださいね。現代社会論基礎化学b基礎化学b西洋の歴史と文化物理学1a解析学BMonTueWedThuFri日本の歴史と文化生命科学情報処理学b英語1b実用中国語英語2b基礎中国語身体と運動の科学医療学入門心の科学薬学概論/化学実験講義在宅訪問グループディスカッション在宅訪問新薬等の勉強会MonTueWedThuFri調剤+服薬指導講義調剤+服薬指導MonTueWedThuFri薬学経済卒業研究卒業研究卒業研究卒業研究卒業研究卒業研究疾患別薬剤の薬理作用、服薬指導の基礎、在宅医療 等 時間割(創薬科学科4年次前期の例)私は、5年生の時に南カリフォルニア大学臨床薬学研修に参加しました。研修では、学内での講義や病院見学、薬局見学を経験しました。講義では、アメリカにおける薬剤師養成課程(Pharm.D.)の紹介や患者へのカウンセリング方法を学び、ケーススタディでSOAPを考え、Discussionを行いました。コミュニケーション能力の重要性を強調され、大学時代に積極的にケーススタディを取り入れていることが分かりました。病院・薬局見学を通して、現場薬剤師から話を聞くことが出来ました。アメリカにはテクニシャンが存在し、薬剤師を補佐する役目があります。よって、アメリカの薬剤師は処方箋監査や予防接種の実施、患者の直接ケアに集中することができます。また、病院薬剤師はチーム医療に積極的に参画していることが分かりました。中でも興味深かったことは、薬に関与する検査項目をオーダーすることができ、検査値に基づいて患者の状態を評価し、投与量を変更することができるという点でした。例えばヘパリン投与患者にPTTとAPTTを検査し、薬剤師の判断で投与量を増減することができます。これらの話を聞いて、日本の薬剤師が関わることが出来る医療領域の狭さを感じると共に、これから日本の薬剤師が出来ることが増えてくると思いました。薬剤師の職能を拡げるためにも更なる研鑽が必要だと感じました。臨床薬学研修を通して、アメリカと日本の、薬学制度や薬剤師の立場の違いを学ぶことが出来ました。今回の経験を生かし、日本の薬剤師の職能が広がることに貢献したいと思います。東 颯太薬学科 6年現代社会論基礎化学b基礎化学b西洋の歴史と文化物理学1a解析学BMonTueWedThuFri日本の歴史と文化生命科学情報処理学b英語1b実用中国語英語2b基礎中国語身体と運動の科学医療学入門心の科学薬学概論/化学実験講義在宅訪問グループディスカッション在宅訪問新薬等の勉強会MonTueWedThuFri調剤+服薬指導講義調剤+服薬指導MonTueWedThuFri薬学経済卒業研究卒業研究卒業研究卒業研究卒業研究卒業研究疾患別薬剤の薬理作用、服薬指導の基礎、在宅医療 等薬局での実務期間中の1週間のスケジュール12 December総合薬学演習発表会OSCE試験冬季休暇10 October開学記念日後学期授業開始医学薬学祭11 November卒業論文発表会  (薬学科6年生)バドミントン大会卓球大会TOEIC講習会1 January博士論文発表会後学期授業終了TOEIC・IPテストCBT試験2 February後学期末試験卒業論文発表会(創薬科学科4年生)修士論文発表会 3 March薬剤師国家試験ニュージーランド     語学研修学位授与式春季休暇創薬科学科4年生のある一週間大学院 博士前期課程 1年 菊川 孝薬学科5年生のある一週間薬学科 6年 堀内 彩萌

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