理学部学部案内2016
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学科紹介/地球科学科12Interview先輩からのメッセージラボラトリーResearch groups 地球が誕生して約46億年。現在の姿に至るまで、地球は様々なイベントを経験しています。地球科学とは、地球の過去・現在・未来すべてにおける事象を研究する分野です。地球科学科では1年生の前期から積極的に野外実習に赴き、フィールドワークに接する機会が多くなります。 現在私は、手取層群から産する中生代の微化石について研究しています。手取層群とは、恐竜やアンモナイトなどの化石が産出し北陸地域に分布している中生代ジュラ紀中世から白亜紀古世(約1億7000万年前~1億年前)の地層です。中生代を代表する化石が多産する一方で微化石は今一つ目立ちませんが、同層群の堆積した時代や環境の検討にはとても重要な情報となります。 普段見上げている空、遠くに見える山々、肌に感じる風の流れ。何気なく見ている、感じている私たちの周囲すべてに意味があり、地球の歴史の一端を担っているのです。地球科学を学びたいと思っているみなさん、私たちと一緒に地球の歴史に迫ってみませんか?地球科学科4年 地球科学と聞いて「何の学問?」とピンとこない人もいるでしょう。私たちの住む地球では様々な自然現象、例えば地震、火山、雷などが起こったり雨や雪が降ったりします。地球科学はこれらの現象を理解、解明しようとする学問です。富山大学の地球科学科では、取り扱っている地球科学の分野が幅広いです。1、2年生では地球科学の基礎を学び、3年生から専門的なことを学びます。3年生の後期からは、自分の興味のある分野を研究することができます。また、勉強は座学だけではなく野外実習などもあり、野外に出て岩石や地質を観察したりします。ここが地球科学科の醍醐味であると思っています。 私たちは、地球ダイナミクス分野の研究室に所属しており、重力から地下の構造を推定する研究をしようとしています。でも、1、2年生の時は、これからしようとする研究の勉強だけでなく他の分野の勉強もしてきました。 ここでは自然現象に興味を持っている人がたくさんいて、日常ではあまり話す機会のない地球科学科のネタで話すことができとても楽しいです。自然現象に疑問・興味のある皆さん、私たちと一緒に学びましょう!大学院理工学教育部地球科学専攻修士課程2年 この分野ではおもに三つの対象について研究しています。一つは「地磁気」です。地球のコアで生成される地磁気は、向きや強さを絶えず変化させています。我々は、岩石や堆積物に記録された残留磁気(地磁気の化石)や観測を利用して、地磁気の変動を研究しています。プレート運動や気候・環境変動、地下資源、考古学への応用等も研究テーマとなっています。 二つめは「雪と氷」の科学です。雪や氷結晶の物理的性質・成長といった基礎研究から、積雪から探る大気環境変動まで研究は多岐にわたります。とくに、北アルプスの積雪・雪渓など、富山の地域性を活かした研究や、衛星データを用いた雪氷変動の研究をおこなっています。 三つめは「海洋」です。地球環境の視点から富山湾や日本海等の日本の周りの海の構造がどのようになっており、どのように変動しているのかを観測データ解析や数値シミュレーションによって解明します。地球圏物理学分野Geosphere Physics富山湾に特有の「寄り回り波」のコンピュータシミュレーション結果立山室堂平での積雪調査 地球の地下深くから頭の上の大気まで、地球全体を対象に、現在進行形のダイナミックな変動現象を研究しています。地質調査、観測、実験、データ解析、数値シミュレーションなど、研究対象に応じて様々な手法が用いられています。 「地震とプレート運動」に関わるテーマとしては、活断層の調査、GPSによる地殻変動の観測やモデル化(数値シミュレーションを含む)、岩石の物理的性質に関する実験などが挙げられます。また、深海探査機によるメタンハイドレート調査など、海での観測にも力を入れています。 「気象」の研究としては、その整備された観測網や観測データ、数値モデルなどを駆使して、気候変動や異常気象を起こすメカニズムの解明、雲や微粒子(エアロゾル)が地球温暖化に与える気候影響の解明などに取り組んでいます。地球ダイナミクス分野Geodynamics高圧装置を用いて地球内部の岩石の性質を研究立山浄土山での雲や大気中の微粒子(エアロゾル)の観測 地表にはマントルの断片や40億年も昔の大陸の一部が露出しています。ある種の岩石は地球のコア近くの情報をもたらします。また、地層や化石からは過去のプレート運動や生物圏を含めた古環境が復元できます。さらに、過去の火山噴出物は将来の噴火活動を予測するための鍵を握っています。これら現在の地表で見られる「岩石と鉱物」、「地層と化石」などを手がかりとして、地球内部の様子や動き、地球の成り立ち(地球史)などを研究しています。 この分野では、フィールドワークを最重視し、野外から多くのデータとアイデアを得る能力を培う教育に力を入れています。ここで培われる能力は、物理学や化学など他のいかなる学問分野でも習得できない能力であり、就職先で大いに役立っています。地球進化学分野Geological Science男体火山、山頂火口内での地質調査モンゴルでの地質調査

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