富山大学理学部案内
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学科紹介/数学科4 大学での数学は高校までの数学とは異なり数学の本質を学ぶことを主としています。 授業で扱う内容は証明問題が中心で、最初のうちは、その抽象的な内容を理解するのが難しく苦労することも多いと思いますが、その分、理解できたときに得られる喜びは大きいと思います。大学の数学はすぐに内容の理解できるものばかりではないので、根気強く考えることが大切だと思います。 高校まで数学が好きで数学科に来る人も多いですが、大学で学ぶ数学でしか味わうことのできない楽しさもたくさんあります。なので、計算力だけでなく論理的思考力も身につけたいという人にはお勧めの学科です。 また、様々な分野があるので自分の専門分野をみつけて没頭することもできます。大学生活で何か1つの分野に集中して勉強したい、取り組みたい、そう思っている人は私たちと一緒に富山大学理学部数学科で学びませんか。数学科3年 大学で学ぶ数学の中には様々な分野があります。解析学や幾何学や代数学などがありその中でもさらに多くの分野に分かれます。もしかしたら分野の多さや高校までの数学との違いに戸惑い、立ち止まることがあるかもしれません。ですが本や服の好みがあるのと同様にあなたにぴったりな数学の分野があるはずです。 そのぴったりな分野はきっとあなたに数学の素晴らしさや美しさを見せてくれるはずです。さあ一緒に数学の世界を冒険しましょう。大学院理工学教育部数学専攻 修士課程2年 この分野では、幾何学、代数学、解析学などを中心に純粋数学の立場から教育・研究を行っています。ここでの教育目標は、学生諸君に純粋数学の世界の一端に触れ、抽象数学の美しさを味わい、厳密な理論の構成の仕方を身に付けてもらうことです。 この分野では次のような研究が行われています。(1) 空間図形の性質、曲線や曲面の概念を一般化した多様体などを調べる幾何学(抽象的幾何構造を見る数学的直観力の強化にコンピュータは役立つか?)。板書による授業(2) 複素関数(複素数に対して複素数を対応させる関数)の性質を調べる複素関数論(華麗な姿を見せるフラクタルもこの理論に属しています)。(3) 数の概念を拡張して種々の視点から数の性質を調べる数論(ネット間での情報のやり取りを保証する暗号・認証にも使われます)。(4) 足し算や掛け算などの演算の性質を抽象的に扱うために利用される「群」「環」「体」などの性質を調べる代数学(歴史の古いこの分野の理論には美しさがあります)。数学図書室情報数理分野Mathematical Science of Information数理解析分野Mathematical Analysis この分野は、数理現象の数学的解析とその手法の開拓という視点を持つ教員によって構成されています。コンピュータ等を用い、数学的手法を駆使して数理現象を解析する能力を習得することがこの分野の教育目標です。 この分野では次のような研究が行われています。(1) 微分方程式の解の性質を研究する微分方程式論(微分方程式はさまざまな現象を記述する数学の言語です)。コンピュータを使った授業(2) 数理現象のモデル化とモデル方程式の数学的・数値的解析(現状では数値的にしか解けない複雑な現象も扱います)。(3) 偶然性に支配される現象を解析する確率論(近年のファイナンス理論の進展に確率論は大きく寄与しています)。(4) コンピュータを使った「群」「環」「体」などの代数系の構造を調べる研究(とくに量子代数と呼ばれる近年に発見された新しい代数系の研究をコンピュータによるグレブナー法で解析します)。修士論文発表会ラボラトリーResearch groups

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