大学院医学薬学研究部(薬学)新田淳美教授らの研究グループが覚せい剤依存を抑制する新規分子を発見

 富山大学大学院医学薬学研究部(薬学)薬物治療学研究室、傅 柯荃(大学院医学薬学教育部博士後期課年程3生)、宮本嘉明准教授、新田淳美教授らの研究グループは、マウスを用いた実験で薬物依存を抑制する新規分子を発見しました。
 新規分子であるTMEM168は、生体内でどのような機能があるか分かっていなかったところですが、自治医大の村松慎一教授が確立した遺伝子工学的な手法を用いてマウス脳の報酬系と呼ばれる領域の一部である側坐核で局所的に発現を増加させると、マウスの覚せい剤の嗜好性が弱まることを世界で初めて見出しました。この時には、オステオポンチンという分子との相互作用が重要であることも見出しました。
 これらの成果は、現在、日本を含む世界中で大きな社会問題となっている薬物乱用の解決に対する大きな前進となると考えられます。
 本研究成果は、10月12日付けのイギリスの学術誌「 Scientific Report」論文名:「Involvement of the accumbal osteopontin-interacting transmembrane protein 168 in methamphetamine-induced place preference and hyperlocomotion in mice」にオンライン掲載されました。

プレスリリース [PDF, 384KB]