大学院医学薬学研究部(薬学)田渕准教授らの研究グループが神経細胞のシナプスに転写因子が存在し、シナプス形態を制御することを発見

 富山大学大学院医学薬学研究部(薬学)分子神経生物学研究室 金田真理彩(大学院医学薬学教育部博士前期課程2年)、田渕明子准教授らの研究グループは、遺伝子発現を制御する転写因子であるMKL1とMKL2が神経細胞のシナプスに存在しており、スパインとよばれるシナプス棘突起の形態を制御していることを発見しました。転写因子MKLは、脳に豊富に存在しており、神経細胞の樹状突起形態を制御することなどがわかっていましたが、神経細胞内における正確な存在場所やシナプスにおけるはたらきについてはこれまで明らかになっていませんでした。本研究成果は、シナプスの形態制御という脳の作動原理の解明につながるだけではなく、その破綻で引き起こされる神経疾患の病態解明や新薬開発につながると考えられます。
 この研究成果は、英国の学術誌「Scientific Reports」論文名:Synaptic localisation of SRF coactivators, MKL1 and MKL2, and their role in dendritic spine morphology の2018年1月15日のオンライン版で公開されました。

プレスリリース [PDF, 344KB]