生薬資源科学分野小松かつ子教授が和漢医薬学会学会賞を、消化管生理学分野山本武助教が学術貢献賞を受賞

 平成30年9月1~2日に岐阜市長良川国際会議場で開催された第35回和漢医薬学会学術大会にて、生薬資源科学分野小松かつ子教授が学会賞を、消化管生理学分野山本武助教が学術貢献賞を受賞しました。

 小松かつ子教授は、「薬用植物の多様性の解析と生薬の標準化・持続的利用への応用」に関して優れた研究成果を挙げ、和漢医薬学の学術の発展に著しく貢献をしたとして、和漢医薬学会賞を受賞しました。人参類、党参、大黄、鬱金、莪朮、芍薬、刺五加などの資源となる薬用植物について分子系統学的解析を行うことにより客観的な同定基盤を作り、それをインデックスとして生薬の遺伝子解析、成分・薬理研究の結果をまとめて、品質に関する法則性を見出すとともに、それを生薬の標準化(一部日本薬局方に反映)や栽培すべき薬用植物の選抜・栽培化に応用したことが評価されました。

 山本武助教の受賞研究課題名は「葛根湯の制御性T細胞誘導作用を活用した食物アレルギーの新規治療法の開発研究」で、未だ有効な治療法がない食物アレルギーに対する治療法の確立を目指して治療薬の探索を行い、葛根湯が制御性T細胞を誘導することを見出しました。さらに、基礎研究として、食物アレルギーに対する葛根湯と経口免疫療法との併用が経口免疫療法による治療効率や安全性を上げることを明らかにしました。これらの基礎研究成果を基に、食物アレルギーに対する葛根湯と経口免疫療法の併用療法の臨床研究が開始されており、食物アレルギーの治療に繋がることが期待されています。

右から一人目 小松かつ子教授