骨粗鬆症治療薬クロドロン酸が、内臓痛に効果がある可能性を世界で初めて証明

 国立大学法人富山大学医師キャリアパス創造センター(第三内科)三原弘 助教と福岡歯科大学、山梨大学、岡山大学のグループは、骨粗鬆症治療薬クロドロン酸が分泌小胞内にATPを運ぶ輸送体(VNUT)を阻害することで、内臓痛に対する新規治療薬となり得ることを世界で初めて突き止めました。本研究成果は米国時間2018年10月26日14時(東部標準時間)に『プロスワン(PLOS One)』電子版に掲載されました。
 機能性ディスペプシアや、過敏性腸症候群などに代表される内臓痛を訴える患者の罹患者は世界の人口の15-25%以上であると言われていますが、現在使用できる薬剤の有効性は50%程度であり、更に効果の高い治療薬が求められています。本研究成果により、輸送体を標的とした全く新しいタイプの内臓痛治療薬を提案することができました。また、クロドロン酸は欧米では既承認医薬品であり、ヒトでの安全性も確認されています。既存薬再開発により、より早く研究成果が社会還元できると期待されます。

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