富山大発の軽量小型の眼球運動記録装置

 めまい患者では、眼振と呼ばれる特徴的な目の動きが観察されます。フレンツェル眼鏡は眼振を観察する携帯型の医療機器として病気の原因や重症度を診断するため広く使用されていますが、これまで動画記録することはできませんでした。
 富山大学医学部耳鼻咽喉科(將積日出夫教授)では、フレンツェル眼鏡に装着する撮影装置を発明し、特許を取得しました(特開2013-031631、フレンツェル眼鏡用眼振撮影装置)。この度、(財)富山県新世紀産業機構の採択(富新産第366号)を受け、株式会社ハイメックは富山大学耳鼻咽喉科と共同で眼振をCMOSカメラで撮影し、Wi-fiにてケーブルレスにパソコン等で表示可能な「フレンツェル ウエアラブルIRカメラ」を開発し、医療機器として医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認も受けることができました。
 本装置は軽量(125g)で持ち運びしやすく、ケーブルレスのため様々な頭位で行われる眼振検査において操作性が優れています。アダプタにより既設のフレンツェル眼鏡に接続可能なため、往診に用いることが可能です。今後、救急外来を始めとしためまい診療に役立つ事が期待されます。