脳血管周囲に動員され、血液脳関門の破綻を防御する、線維芽細胞の新規脳保護メカニズムを解明

富山大学医学部病態・病理学講座のNguyen大学院生、学術研究部医学系 山本講師、学術研究部医学系 笹原教授らは、野生型マウスおよび新規に作出した血小板由来増殖因子受容体アルファ (PDGFRα) の発現が特定の細胞で抑制される遺伝子改変マウスの解析から、脳梗塞病変の血管周囲にPDGFRα依存性に大量に動員される線維芽細胞の集団が存在することを見出しました。これらの細胞は正常脳で少数存在することが近年同定されました。さらに、今回の研究により、脳梗塞が発生した脳の病変部位の血管に大量に動員され、血管保護を促し、脳出血や浮腫による病変の増悪を防いでいることが始めて明らかになりました。脳梗塞後の治療に新しい可能性を示す結果です。

この研究成果は、日本時間の2020年9月 13日(日)20時にSpringer Nature姉妹紙の「Angiogenesis」に掲載されました。

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