中学生の便秘発症を分析する世界初の縦断研究

富山大学学術研究部医学系疫学健康政策学講座の山田正明助教、関根道和教授らが「中学生の便秘のリスク要因」についての分析を行い、果物摂取が少ない、心理ストレスが多いことに加え、朝食摂取や運動習慣が減った生徒で便秘発症のリスクが上昇することを世界で初めて明らかにしました。

この調査では、平成元年度生まれで3歳時に県内に在住した全児童(約1万名)を対象とし、生活習慣や家庭環境と児童の健康への影響を調査した富山出生コホート研究(1989-2005年)から、小学4年生時のデータ(第3回)と中学1年生(第4回)を用い、便秘の発症に対して前向きの縦断研究を行いました。

調査の結果、中学1年生までの3年間に全体の4.7%(男子2.7%、女子6.8%)が便秘(排便が3日に1回以下)を発症しました。次に、多変量ロジスティック回帰分析から、便秘発症には果物摂取不足、心理的ストレスが多いことに加え、小学生時代から朝食を抜くようになった(OR=1.83)、運動をする習慣がなくなった(OR=1.56)生徒が有意に便秘のリスクを上昇させていたことが分かりました。

小児便秘の対策として、「規則正しい生活と食習慣」が小児の便秘症診療ガイドラインにも推奨されていますが、実はこれまでにこの推奨を裏付ける研究はなく、研究結果ではなく専門家の意見であるエビデンスレベル5(低い)とされていました。今回の研究は、便秘予防について、子供が規則正しい生活を続けること、食・運動習慣の維持することの重要性を示す世界初の報告になります。

本研究の詳細は、令和3年1月6日に英国の国際誌BMC Public Healthに掲載されました。

プレスリリース [PDF, 388KB]