タイとの拠点大学方式による学術交流事業

本交流事業は平成23年3月をもちまして終了しました。

トピックス

本事業紹介が薬学雑誌に掲載

日本薬学会第128年会(2008年3月26-28日、横浜)シンポジウムで発表した本事業紹介が、薬学雑誌に掲載されました。

事業概要

拠点大学交流事業は、日本学術振興会がアジア諸国との交流において実施している、大型プロジェクトです。1977年の文部省の学術審議会建議に基づき翌年度から実施されています。
本学では平成13年度(2001年)から、日本学術振興会の助成を得て、拠点大学方式によるタイとの学術交流事業が、富山医科薬科大学和漢薬研究所(現富山大学和漢医薬学総合研究所)を日本側拠点大学として開始されました。相手側対応機関は、タイ学術研究会議(NRCT)で、タイ側の拠点大学・機関であるチュラロンコン大学薬学部及びチュラポン研究所を中心に、天然薬物を研究テーマとした研究者交流、共同研究及びセミナーを実施しています。

日本学術振興会 ロゴ
実施年度
平成13年度(2001年)- 22年度(2010年)
事業名
(独)日本学術振興会 拠点大学方式による学術交流事業
交流分野・研究テーマ
薬学分野・天然薬物

研究目標・課題

タイ、ベトナムは熱帯から亜熱帯に位置し薬用資源の世界的に豊富な地域ですが、近年の乱開発により貴重な薬用資源が失われつつあります。このような状況下で、日本とタイ・ベトナム側が協力して東 南アジアの薬用資源の保全と人類の健康・福祉への有効利用を目指し、活社会的問題となっている老年性認知症、生活習慣病、新規ウイルス性感染症などの難治性疾患の予防や治療に有用な薬物のシーズ(種)を探索し、新しい薬物の開発を行なう事を本事業の研究目標としています。

目標

東南アジアの薬用資源を活用して老年性認知症、生活習慣病、新規ウイルス性感染症などの難治性疾患の予防や治療に有用な薬物のシーズ(種)を探索し、新しい薬物の開発を行なう。

課題

  1. 老人性疾患の予防と治療に有用な天然薬物の研究
  2. アレルギー性疾患及び癌の予防や浸潤、転移を抑制する天然薬物の研究
  3. 肝炎(肝障害を含む)及び数種の感染症に有効な天然薬物の研究
  4. 天然物の構造、合成、活性発現の分子機構の研究
  5. タイ産薬用植物成分の生合成に関する分子生物学とバイオテクノロジー研究、及びタイ産薬用植物のデータベースの確立

拠点機関

日本側(拠点大学1、協力大学8)

拠点大学
  1. 富山大学
協力大学
  1. 千葉大学大学院薬学研究院
  2. 東京大学大学院薬学系研究科
  3. 北里大学北里生命科学研究所
  4. 明治薬科大学
  5. 名古屋大学大学院生命農学研究科
  6. 広島大学大学院医歯薬学総合研究科
  7. 九州大学大学院薬学研究院
  8. 岐阜薬科大学

タイ側(拠点大学2、協力大学12)

拠点大学
  1. チュラロンコン大学薬学部
  2. チュラポン研究所
協力大学
  1. シラパコーン大学薬学部
  2. マヒドン大学薬学部
  3. シーナカリンウィロート大学薬学部
  4. チェンマイ大学薬学部
  5. コンケン大学薬学部
  6. ナレスワン大学薬学部
  7. マハサラカム大学薬学健康科学部
  8. ウボンラチャタニ大学薬学部
  9. カセサート大学
  10. プリンスオブソンクラ大学薬学部
  11. ベトナム国立薬物研究所ホーチミン支所
  12. ベトナム国立伝統医学病院

コーディネーター(平成21年~)

日本側コーディネーターは実施計画の策定、資金の管理、交流の実施、実施報告に必要な連絡調整を行います。
また、タイ側コーディネーターは日本側コーディネーターに派遣研究者の推薦を行います。

日本側

松本 欣三 富山大学和漢医薬学総合研究所 教授

タイ側

Dr. Pintip Pongpech チュラロンコン大学薬学部長
Dr. Somsak Ruchirawat チュラポン研究所副所長

研究者交流実績

平成13年度(2001年)に本事業がスタートしてから平成22年(2010年)の事業終了年度となるまでの交流実績は、派遣総数271人/1,619人日、受入総数241人/10,690人日で、交流総数は512人/12,309人日に及びます。図に示す特徴としては、タイ側からの受入総数が日本側からタイ・ベトナムへの派遣総数と比較して圧倒的に多くなっております。これは、日本側研究者の滞在期間が1週間以内に対し、タイ側研究者は、日本側受入研究者指導のもと、研究経験を積み、共同研究実績を挙げる等が主な目的となるので、滞在が1~3ヶ月となるためです。

タイ側研究者には、
1)同一のタイ側研究者を継続的に派遣する
2)より多くの研究者に交流経験をさせるために新規の若手研究者を派遣する
の2パータンがあります。

ジョイントセミナー

2010年度

12月8日(水)-9日(木)の2日間、日本学術振興会・タイとの拠点大学交流事業「第9回ジョイントセミナー:次の10年を担う天然薬物研究、新しい挑戦と共同研究の未来像」を、本事業のタイ側拠点大学であるチュラロンコン大学において開催しました。

本事業は、平成13年度から10年間にわたり、「薬学分野・天然薬物」をテーマに共同研究、研究者交流を実施しており、今年が最終年度となります。
今回のジョイントセミナーは、これまでの共同研究成果の集大成の場として、タイ側日本側総勢20名の研究者による口頭発表と146題のポスター発表があり、全参加者数は330名でした。また大学院生のためのセッション枠である「Young Researcher Oral Presentation Session」や「Short Oral Presentation for 20 Selected Posters (3 minutes each)」を設け、国際学会において英語で口頭発表するという貴重な機会を提供することにより、若手研究者の育成を図りました。

タイ国チュラポン王女H.R.H. Princess Chulabhorn Mahidol御臨席のもと開催された開会式では、チュラロンコン大学長の挨拶に続き、同王女の基調講演が行われ、その様子は報道機関を通じてタイ国内に向けてテレビ中継されました。このように本セミナーは、両国の国際交流に重要な役割を果たし、さらには本学の国際的プレゼンスが向上するなど多くの成果が得られました。

なお、2年後の2012年には本事業のフォローアップセミナーを開催する方向でタイ側と合意しており、事業終了後のタイ拠点交流の発展が多いに期待されます。

プロシーディング2010 表紙
プロシーディング2010 表紙
タイ国王女 Professor Dr.H.R.H. Princess Chulabhorn Mahidol と両国実施機関代表者
タイ国王女 Professor Dr.H.R.H. Princess Chulabhorn Mahidol と両国実施機関代表者
参加者の集合写真
参加者の集合写真

2008年度

2008年度のジョイントセミナーは、2009年2月3日から4日にバンコクで行われました。研究発表者数はタイ88名、日本29名で参加者総数は264名でした。次回は2010年に開催予定です。

タイ国王女 Professor Dr.H.R.H. Princess Chulabhorn Mahidol と両国実施機関代表者
タイ国王女 Professor Dr.H.R.H. Princess Chulabhorn Mahidol と両国実施機関代表者
日本、タイ両拠点大学コーディネーター(最後列中央)と日本側参加者
日本、タイ両拠点大学コーディネーター(最後列中央)と日本側参加者

2006年度

2006年度のジョイントセミナーは2006年12月1日から4日に富山で行われました。研究発表者数はタイ30名、ベトナム1名、日本27名で参加者総数は104名でした。次回は2008年12月にバンコクで開催予定です。