国立大学法人富山大学統合10周年記念式典 式辞

式辞

 本日ここに、国立大学法人富山大学の統合10周年の記念すべき日を迎え、文部科学省、自治体、政財界、地元産業界、教育界、医療界等、県内外から各界の皆様方のご臨席を賜り、かくも盛大に記念式典を挙行できますことは、私ども教職員一同、また同窓生にとっても、この上ない喜びでございます。本学を代表し、心より御礼申し上げます。

 富山大学は、平成17年10月1日に、旧富山大学・富山医科薬科大学・高岡短期大学の県内3国立大学法人が再編統合し、全国有数規模の総合国立大学法人として歩み始めました。統合に際しては、文部科学省並びに政財界をはじめ多くの皆様からお力添えを頂いたこと、あらためて深く感謝申し上げます。
 法人化直後の時期に、3国立大学統合という、全国唯一の改革を成したわけではございますが、異なる歴史・伝統を有し各々が独自の理念と目標のもと歩んできた3大学が一つになるということは、まったく容易なことではありませんでした。特にそのスタートは、スケールメリットを活かし、教育・研究・社会貢献を充実させていこうという将来像を描く一方で、法人化と再編統合という2つの大きな変化による課題が山積し、他の大学では経験したことのないような難しい状況の中での船出でありました。西頭德三初代学長をはじめ、当時の運営に直接携わられた関係各位のご苦労は、私共の想像を遥かに超えるものであったと思います。それでも、関係各位のご尽力の甲斐あって、10年の時をかけて議論を積み重ね、課題を解決しながら、「一つの大学」として共通理解が芽生えて参りました。

 重ねて申しますが、この10年間は“一つの大学としての基盤を創り上げる”10年でありました。この間も、世界は急激なスピードで変化を続けています。10年前と比べ、世界の様相は全く異なるものとなり、科学技術や情報通信技術の目覚ましい進歩によって、人々の生活は豊かなものとなり、便利さは大きく広がっています。その一方で、世界規模での社会経済問題や環境問題が深刻化し、避けられない課題・現実として私たちの目の前に突き付けられています。我が国においても、急速な少子高齢化、震災からの復興、グローバル化に伴う競争激化など、難しい課題が山積しています。
 このような時代の中、国立大学は、その財産である知的資源を最大限に生かし、それぞれの強み・特色を持ち、課題の解決と地域社会の発展、そして世界の発展に貢献していくことが問われています。

 おりしも、統合10周年を迎えた本年は、第2期中期目標期間の最終年度であり、本学においても、来年度からの第3期中期目標期間に向けて、大学改革推進本部を中心に改革への動きを加速しております。教養教育改革、教育研究組織の見直し・整備を進めながら、本学の強みである生命科学及び自然科学分野で世界レベルの先端的研究を推進するとともに、地域活性化の中核的拠点として、県内自治体、地元企業など各界関係者との連携から新機軸を打ち出し、より一層の貢献を果たしていく覚悟でございます。

 大学の不変的な使命は“ひと”を育てることであります。今、この混沌の時代だからこそ、“ひと”を育てる教育の力を発揮せねばなりません。富山大学は、未来に向けて、これまで育んできた伝統を見つめ直し、守るべきものは守り、伸ばすべきものは伸ばし、新領域を生み出す挑戦力をもって、さらなる飛躍を目指し、努力を重ねて参ります。

 皆様と知恵を出し合い、対話を重ねながら、前に進みたいと存じます。今後も富山大学に御支援と御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、式辞といたします。

平成27年10月1日
富山大学長 遠藤 俊郎