富山大学案内2017
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薬学部18薬学部長 細谷 健一学部長からのメッセージ 富山大学薬学部は、300年以上の伝統をもつ「くすりの富山」を背景に、明治26(1893)年開校の共立富山薬学校を起源とする、120年余の歴史と伝統を誇ります。近年の科学や医療技術の目覚ましい進歩・高度化に伴い、平成18年にくすりを“創る”スペシャリストとして創薬研究者・技術者を育成する4年制の創薬科学科と、くすりを“使う”スペシャリストとして薬剤師を育成する6年制の薬学科を設置しました。 創薬科学科(定員50名)では、創薬・ライフサイエンスの関連分野を集中的に学び、大学院進学を強力にサポートしながら、新薬創成を担う研究者・技術者の育成を行います。本学科の特色として、“創薬化学”や“先端分子薬学”などの最先端創薬に加え、“富山のくすり学”などの「くすりの富山」の歴史に裏付けられた創薬を学べる授業を開講しています。 薬学科(定員55名)では、和漢薬を含めた高度・広範な職能を有し、幅広い医療分野で活躍する薬剤師の育成を行います。薬物治療に関する高度な専門知識を習得すると共に、病院薬剤部および保険薬局における長期間の実務実習で技術を磨きます。 さらに、大学院も充実しており、4年制卒業後は薬科学専攻(博士前期課程2年制・博士後期課程3年制)に、また6年制卒業後は薬学専攻(博士課程4年制)に進学可能であり、次世代の創薬研究および臨床薬学研究を志す方にも満足頂ける環境が整っています。 薬学部の詳しい紹介は、学部作成のパンフレットまたは薬学部ウェブサイトをご覧ください。「くすりのスペシャリスト」を育成する薬学部■取得可能な免許・資格■薬剤師でなければ原則として 行えない業務■薬剤師が申請届出により 行える業務薬剤師免許調剤業務薬局の管理者医薬品の店舗販売業の管理者医薬品の配置販売業者の区域管理者医薬品の卸売販売業の管理者医薬品の製造販売業者の総括製造販売責任者医薬品の製造業者の製造管理者学校薬剤師保険薬剤師国民健康保険薬剤師医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造販売業者の総括製造販売責任者医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造業者の責任技術者高度管理医療機器等の販売業又は賃貸業の管理者毒物劇物取扱責任者食品衛生管理者麻薬管理者向精神薬取扱責任者労働衛生管理者特別管理産業廃棄物管理責任者病原体等取扱主任者放射線取扱主任者■薬剤師が都道府県知事等から 任命されることで行える業務薬事監視員食品衛生監視員環境衛生指導員麻薬取締官(員)家庭用品衛生監視員 薬学部では、ライフサイエンス、天然物化学、有機化学、物理化学、医療薬科学などの広範な分野の教育・研究を行い、社会に貢献できる薬剤師を養成するとともに、医療・創薬・生命科学の広い分野で社会に貢献できる人材を育成します。 全国の薬学部において履修する共通の教育科目(コアカリキュラム)と本学独自の教育科目を提供しています。 本学では、医学部や和漢医薬学総合研究所との強い連携を活かして、薬学部(創薬科学科、薬学科)と医学部(医学科、看護学科)の学生との混成グループによる体験実習と講義を組み合わせた科目(「医療学入門」及び「和漢医薬学入門」)を開講しています。「医療学入門」は、医療人としての倫理観とコミュニケーションを体得し、「和漢医薬学入門」は、天然薬物や漢方医学の基礎を理解することを目標にしています。 創薬科学科の教育科目は、教養教育科目(社会活動に役立つ幅広い教養を修得)と専門教育科目(基礎系、物理系、化学系、生物系、医療系、実習)、卒業研究があります。「創薬化学」、「先端分子薬学」、「富山のくすり学」などを始めとする、創薬分野の授業が充実しています。「創薬化学」では創薬に必要な最新の専門知識と技術を学び、「先端分子薬学」では最新のライフサイエンスの研究に基づく、分子・細胞レベルでの生体と医薬品の関連を学びます。さらに、「富山のくすり学」では、“薬の富山”ならではの地域性を生かした講義を受講できます。創薬科学科を卒業すると学士(薬科学)の学位が授与されます。これまでの本学薬学部卒業者の多くは、大学院でさらに先端的知識や技術を学んだ後に製薬企業や研究所等に就職しています。 薬学科の教育科目は、教養教育科目(社会活動に役立つ幅広い教養を修得)と専門教育科目(基礎系、物理系、化学系、生物系、医療系、実習)、臨床実務実習、卒業研究があります。「病態薬物治療学」などの臨床薬学系の必修科目を設け、医学部の教員による「病原微生物学」も選択科目として開講しています。5年次と6年次には、臨床実務実習と卒業研究を行います。 富山県内の病院(本学附属病院を含む)および地域薬局で薬剤師実務実習を合わせて22週間行うとともに、研究課題を通して新しいことを発見し、科学的根拠に基づいて問題点を解決する能力を修得するため卒業研究を行います。薬学科を卒業すると学士(薬学)の学位が授与され、薬剤師国家試験の受験資格が得られます。卒業後、さらに大学院に進学し、最先端の臨床薬学や統合医療を学ぶことができます。●教育内容※国家試験合格が条件となります。 なお、薬剤師国家試験の受験には6年制課程の 卒業が基本です。■主な就職先〔平成27(2015)年度卒業・修了者〕薬学科/〈大学院博士課程(進学率6%)〉富山大学、千葉大学、京都大学〈病院・調剤薬局〉富山赤十字病院、済生会富山病院、砺波総合病院、筑波大学附属病院、金沢大学附属病院、福岡大学病院、アインファーマシーズ、クスリのアオキ、スギ薬局、総合メディカル、日本調剤など〈企業・官公庁〉富山県庁、アストラゼネカ、小野薬品工業、常磐薬品工業など創薬科学科/〈大学院博士前期課程(進学率85%)〉富山大学、京都大学〈企業〉廣貫堂、中部薬品株式会社など大学院博士前期課程/〈大学院博士後期課程(進学率17%)〉富山大学、金沢大学、名古屋大学〈企業〉救急薬品工業、サンスター技研、参天製薬、塩野義製薬、十全化学、大日本住友製薬、富山化学工業、持田製薬など学部の詳しい情報はこちら   >>>

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