就職の手引き [平成30(2018)年度]
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- 6 - 就職・採用時期の変更に関する背景と今後の方針について 学生の就職・採用活動の早期化・長期化の是正について、これまで、国公私立大学等で構成する就職問題懇談会が、大学等関係団体の総意として、経済団体等に対し長年にわたり要請を行い、意見交換を重ねてきた歴史的経緯がある。現在の就職・採用活動スケジュールは、2015年度卒業・修了予定者から、広報活動の開始時期を卒業・修了前年度3月に、採用選考活動の開始時期を卒業・修了年度の8月に変更することが、2013年に合意されたことが基本になっている。 2016年度卒業・修了予定者からは、学生の学修時間確保の観点等から採用選考活動の開始時期を卒業・修了年度の6月とすることに変更されたが、あくまでも就職・採用活動の早期化・長期化を是正するとの趣旨は堅持したものとなっており、以降3年間にわたり、同じスケジュールが適用されている。そして今月、一般社団法人日本経済団体連合会は、現行の就職活動の実態を踏まえ、2019年度卒業・修了予定者についても同じスケジュールを維持することを決定した。 学生の学修環境の確保を考えた場合、現行日程が必ずしも最良のものとは言い切れないが、現行日程において、①学部3年次の授業への出席状況が改善していること、②日程が維持され定着に向かうことにより、学生・大学は計画的に就職活動に対応できるようになること、といったプラス面が確認されているところである。 2020年度以降の卒業・修了予定者の就職・採用活動については、例えば、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催等、年ごとの状況変化はあるが、安定的な就職・採用活動が行われることが重要であることから、頻繁な日程変更は避け、学生が学業及び就職活動の両方により安心して取り組むことができる環境整備を目指し、経済団体等と意見交換を行うこととする。 1 「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(平成26年4月8日一部改正 文部科学省、厚生労働省、経済産業省) (抜粋) インターンシップと称して就職・採用活動開始時期前に就職・採用活動そのものが行われることにより、インターンシップ全体に対する信頼性を失わせるようなことにならないよう、インターンシップに関わる者それぞれが留意することが、今後のインターンシップの推進に当たって重要である。 2 「インターンシップの更なる充実に向けて 議論のとりまとめ」等を踏まえた「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」に係る留意点について~より教育的効果の高いインターンシップの推進に向けて~ (平成29年10月25日 文部科学省、厚生労働省、経済産業省) (抜粋) 1.就業体験を伴わないプログラムをインターンシップと称して行うことは適切ではない インターンシップについては、就業体験を伴うことが必要です。 一方で、いわゆるワンデーインターンシップなど短期間で実施されるプログラムの中には、就業体験を伴わず、企業等の業務説明の場となっているものが存在することが懸念されます。 インターンシップの信頼性の確保や教育効果の向上のため、こうしたプログラムをインターンシップと称して行うことがないようご留意ください。 また、就業体験を伴わないプログラムについては、インターンシップと称さず、実態に合った別の名称(例:セミナー、企業見学会)を用いてくださいますようよろしくお願いいたします。 2.より教育効果の高いインターンシップの推進を図る (略) インターンシップを正規の教育課程に位置付ける場合には、「基本的考え方」に則りつつ、インターンシップの実施期間については、より教育効果を高める観点から、5日間以上の実習期間を担保することが望まれます。 地域の事情や企業規模等により、連続した5日間の実習が困難な場合は、事前・事後学習との組み合わせや、5日間で複数の企業において実習を行う等の形態も可能であると考えられますが、教育プログラムとして単位認定を行うものであれば、可能な限り連続した5日間とするなど、一定期間のまとまりにより職業生活を体験することが有益であると考えられます。 その他57

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