12UNIVERSITY OF TOYAMA2021 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方令和元年10 月30 日就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議1.経緯 我が国の持続的な発展のためには、若者の人材育成が必要不可欠であり、学生が学業に専念し、多様な経験ができる環境づくりを進める観点から、2013年、政府は経済界に対し、学生の就職・採用活動時期の後ろ倒しを要請した。 以降、学生の就職・採用活動日程については、①日本経済団体連合会(以下「経団連」という。)による「採用選考に関する指針」の策定、②就職問題懇談会による「申合せ」、③関係省庁(内閣官房、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省)による経済団体・業界団体等に対する遵守等の要請、というプロセスによって、毎年度決定されてきたが、昨年10月、経団連から、中長期的な観点から我が国の採用活動の在り方を議論すべき、大学の教育と企業の姿勢がどうあるべきかを議論すべきといった問題提起と併せて、2020年度(2021年3月)以降に卒業・修了予定の学生の就職・採用活動からは「採用選考に関する指針」を策定しない方針が示された。 これに対し、学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるようにする必要があること、大学側のみならず経団連等からも当面は何らかのルールが必要であるとの認識が示されたこと等に鑑み、昨年10月、本連絡会議において、2020年度(2021年3月)に卒業・修了予定の学生の就職・採用活動日程を次のとおりとりまとめ、本年3月、関係省庁より経済団体・業界団体等に対しその遵守等を要請した。・ 広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降・ 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降・ 正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降2.要請のフォローアップ等の結果 2020年度卒業・修了予定者の就職・採用活動に関する要請の周知状況等について、経済団体・業界団体等を通じたフォローアップのためのアンケート調査1及び学生2・大学等3・企業4向けのアンケート調査を実施した。その結果をみると、以下のとおりであった。 就職・採用活動に関する要請の周知状況については、経済団体・業界団体等向け調査において、回答があった団体の中では、加盟企業等に周知を行った団体が多数を占めた5。一方、企業向けの調査において、回答があった企業の中では、経済団体等から就職・採用活動日程について周知があった企業は半数に満たなかった6。 就職・採用活動日程については、経済団体・業界団体等向け調査において、周知を行い、就職・採用活動日程のルールが必要とする団体からは、就職・採用日程は現在のままでよいとの見解が最多であった7。学生・大学等・企業向け調査において、回答があったものの中では、就職・採用活動日程は現在のままでよいとの見解が最も多くの割合(約3割~5割弱)を占めた8910。 就職・採用活動の状況については、経済団体・業界団体等向け調査において、ルールが必ずしも遵守されないことへの懸念や、「新卒一括採用」を中心とした我が国の採用活動の在り方を見直すべきといった指摘もあった。また、学生向け調査におけるインターンシップについて、「仕事の内容を具体的に知ることができた」等のよい影響が確認され、特に2日間以上のインターンシップにおいて、その傾向がみられた11。さらに、学生向け調査において、就職・採用活動日程のルールにより、学生が学業に専念しやすくなった、計画的に就職・採用活動に対応できるようになった、といったプラス面の効果がみられた一方、選考活動を早期に開始する企業がみられたとの指摘もあった。また、採用面接の時期等について、学生向け調査等において、回答があったものの中では、徐々に早期化する傾向がみられた12。
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