15UNIVERSITY OF TOYAMA2022 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方1.経緯 我が国の持続的な発展のためには、若者の人材育成が必要不可欠であり、学生が学業に専念し、安心して就職活動に取り組める環境をつくることが重要である。 学生の就職・採用活動日程については、2017年まで①日本経済団体連合会(以下「経団連」という。)による「採用選考に関する指針」の策定、②就職問題懇談会による「申合せ」、③関係省庁(内閣官房、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省)による経済団体等への「要請」というプロセスにより毎年度定められてきたが、2018年10月、経団連は今後「採用選考に関する指針」を策定しない方針を表明した。 以来、政府において、学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう、毎年度、関係省庁連絡会議を開催し、当該年度の大学2年次に属する学生等の「就職・採用活動日程に関する考え方」をとりまとめ、就活・採用活動日程を決定することとした。 昨年10月には、本連絡会議において、2021年度(2022年3月)に卒業・修了予定の学生の就職・採用活動日程を次のとおりとりまとめ、本年3月、関係省庁より経済団体等に対しその遵守等を要請した。・ 広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降・ 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降・ 正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降2.要請のフォローアップの結果(1) 2021年度卒業・修了予定者の就職・採用活動に関する要請の周知状況等について、経済団体に対するフォローアップのためのアンケート調査1を実施した。その結果、就職・採用活動に関する要請の周知状況については、回答があった団体の中では、加盟企業等に周知を行った団体が多数を占めた2。また、就職・採用活動日程については、回答があった団体の中では、就職・採用活動日程の「ルールは必要であり、現在の開始時期がよい」とする団体が多数を占めた3。さらに、経済団体等からは、就職・採用活動日程のルールが必ずしも遵守されないことへの懸念や、「新卒一括採用」を中心とした我が国の採用活動の在り方を見直すべきといった指摘もみられた。(2) また、2020年度卒業・修了予定者の就職・採用活動について、学生4・大学等5・企業6向けのアンケート調査を実施し、直近の就職・採用活動の実態把握を行った。なお、2020年度卒業・修了予定者の就職・採用活動については、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業説明会や採用面接等の延期・中止がみられ、例年とは異なる就職・採用活動のプロセスを経たことから、学生・大学等・企業向け調査の結果については留意が必要である。 就職・採用活動の時期については、学生向け調査において、企業説明会等は、例年と比べて、2月以前に参加したとする回答割合が上昇し、更に早期化する傾向がみられた7。採用面接も、例年と比べて、3月以前に受けたとする回答割合が上昇し、更に早期化する傾向がみられた。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業説明会等へ参加した又は採用面接を受けたとする回答割合は、例年と比べ、3月から5月ごろに低下傾向を示し、逆に6月以降はやや上昇した8。 就職・採用活動日程については、学生・大学等・企業向け調査において、回答があったものの中では、現在のままでよいとの回答が最も多くの割合(約4割弱~7割)を占めた91011。現在の日程の評価については、学生向け調査では、新型コロナウイルス感染症の影響下でも、「先輩の体験など昨年の就職活動の情報を参考にすることができた」、「どの時期にどのような就職活動をするか予定を立てやすく準備・行動ができた」など、プラス面の効果がみられた。他方、「面接などの選考活動を早期に開始する企業があり混乱した」との指摘もみられた。また、新型コロナウイルス感染症の影響については、企業説明会が延期・中止になるなど、「企業や仕事に関する情報収集が十分にできなかった」、「移動で公共交通機関を利用することに関し令和2年10 月29 日就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議
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