1420 産学協議会では「ワンデーインターンシップ」については、インターンシップの目的である「就業体験」を1日限りのプログラムでは十分に確保できないことから、今後はこの名称は使用しない(1日限りの説明会・セミナーや工場見学、職場体験ワークショップなどのワンデー・プログラムには、「インターンシップ」の名称は使わない)ことで合意した。(「採用と大学教育の未来に関する産学協議会・報告書」(2020 年3 月 31 日))21 政府が経済団体等に対して行っている要請の中では、就職・採用活動日程以外にも、学事日程等への配慮、日本人海外留学者や外国人留学生などに対する多様な採用選考機会の提供、公平・公正で透明な採用の徹底、インターンシップの取扱い、成績証明等の一層の活用、クールビズ等への配慮、卒業・修了後3年以内の既卒者の取扱い、といった事項を要請している。このほか、インターンシップについては、政府として、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(平成 27 年 12 月 10 日改定)及びその留意点(平成 29 年 10 月 25 日)を示しているところである。 さらに、インターンシップの在り方については、政府が本年6月に閣議決定した「成長戦略フォローアップ」において、学生の学修環境の確保を前提に、産学協議会の提言及びその進捗等を踏まえ、今後の時代にふさわしい学生と企業の就職・採用活動の在り方について、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(平成27年12月10日改定)(文部科学省・厚生労働省・経済産業省による3省合意)の見直しも含め、対応の方向性について、着実に検討するとしている。(2) 学生、大学等、企業向け調査及び経済団体等向け調査においては、就職・採用活動日程のルールが必要であり、現在の日程でよいとの回答が最多であり、就職・採用活動の時期の早期化に対する一定の抑止効果や、学生の就職活動やその準備にあたっての予定の立てやすさの面から、現在のルールは就職・採用活動に一定の役割を果たしているものと考えられる。(3) また、「新卒一括採用」を中心とした我が国の採用活動の在り方については、我が国の雇用の在り方全体に係る中長期的な課題である。産学協議会が昨年3月に公表した「Society5.0 に向けた大学教育と採用に関する考え方」においては、「新卒一括採用(メンバーシップ型採用)に加え、ジョブ型雇用を念頭に置いた採用(ジョブ型採用)も含め、学生個人の意志を尊重した複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行することが必要」とされた。他方、企業における新卒一括採用を基本とした雇用慣行の見直しには一定の時間を要するとみられる。さらに、新卒一括採用は、我が国の若年失業率が、他のOECD諸国と比較して低いことに寄与していると考えられる。また、就職・採用活動に関するルールが急激に変更されることに対しては、大学側や中小企業等から、学生に混乱を生じさせるおそれがあること、就職活動の早期化・長期化が進み学生の学修時間が確保されないこと、中小企業の採用選考活動の負担が増大すること等への懸念が示されているところである。(4) インターンシップが広く活用されている一方で、就業体験を伴わないものも多く実施されている実態を踏まえ、インターンシップの枠組みをしっかりと整理した上で、就職・採用活動のルールとの関係で学生と企業の双方にメリットがあるインターンシップの在り方を検討する必要がある。インターンシップの在り方については、産学協議会において、学生のキャリア形成支援活動の各類型の違いや、企業がインターンシップで取得した学生情報の採用活動に対する取扱い等について議論が行われているところであり、今後十分な議論を経た上で早期に結論を得ることを期待する。等を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう、以下の措置をとる。① 政府としては、これまでと同様、今年度末を目途に、経済団体等に対して、2023年度卒業・修了予定者の就職・採用活動に関する要請を行う。 その際、就職・採用活動日程については、2022 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動と同様に、以下の日程を遵守するよう要請する。なお、インターンシップの取扱い20、学事日程等への配慮などその他の論点を含む要請内容の詳細21については、経済界や大学側とも対話しながら、関係省庁において引き3.基本的考え方(1) 2021年度卒業・修了予定者の就職・採用活動については、例年と比較して、就職・採用活動全体としては更なる早期化の進行はみられないものの、来年度以降の状況を注視していく必要がある。また、就職・採用活動日程のルールの遵守には課題が認められる。4.本連絡会議としての結論(1) 上記に鑑み、2023 年度(2024 年3月)卒業・修了予定者の就職・採用活動について、学生が学修時間
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