富山大学人間発達科学部案内2021
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豊かな人材を育てるために●観察実験アシスタント 授業やゼミの空き時間を活用し、毎週1回程度通勤する「長期のインターンシップ(有給)」で、小学校・中学校理科の実験・観察の準備・片付け、予備実験、授業補助、理科室や理科準備室等の環境整備をするのがその仕事です。いずれも、小・中学校の理科授業を行うための重要な仕事で、これらを経験することで、学生時代に理科授業づくりについての現場感覚を磨いています。 観察実験アシスタントが理科の授業に必要な基本的な知識や技能を身に付けるために、6月と9月に富山県総合教育センターで行われるのが実技研修会です。6月は初めて観察実験アシスタントになった学生が対象で、9月は全員が受講対象で、物理、化学、生物、地学の4分野に分かれて研修を受けます。 研修内容は、微生物や気孔の顕微鏡観察や水溶液のろ過および蒸発乾固といった小・中学校理科の指導内容に直結する内容や、破損した導線の修理に役立つはんだ付けの技能習得など多岐にわたります。これらの研修内容は、観察実験アシスタントとしての仕事のみならず、将来教職に就いたときにも大いに役立つものです。●私は、観察実験アシスタントでは、主に理科の授業準備、活動補助、後片付け、理科準備室の整理整頓を行っていました。 最初は実験用具の置き場所や使い方が分からず、準備に時間がかかってしまい、戸惑うことが多くありました。しかし、配置校の先生方はわからないことを尋ねると何でも丁寧に、優しく教えてくださり、教科書をコピーしたものを見ながら実験の流れを一緒に確認したり、実際に理科準備室に行って実験用具の配置と用途の説明をしたりと、様々な支援をしてくださりました。そのおかげで、何度か通っている内にだんだん作業が早くなり、自分から、実験を安全に行うために工夫をしたり、子どもが実験をする上で使いやすいように工夫をしたりと、楽しさとやりがいを感じるようになりました。また、実際の教育現場に携わることにより、先生方の授業づくりや、子どもたちのリアルな反応が見られ、多くのことを学ぶことができました。特に、授業を進めていく上で子どもや先生方と学習内容について考えたり、そのためには実験をどうしたら良いかを考えたりしたことが、将来教員を目指す私にとって、実践的な力が身につき、貴重な経験をすることができました。 また、毎週学校へ行くと子どもたちや先生方が笑顔で歓迎してくれます。朝教室に行くと、子どもは「今日はどんな実験をするの?」と楽しみにした様子で話しかけてくれたり、仕事を終えると、先生方は「いつもありがとう。とても助かっています!」との声かけをしていただいたりと、とてもやりがいを感じることが出来ました。 配置校で少しでも多くのサポートができるように、今年も学ぶ姿勢を持ち、楽しく活動していきたいと思います。(学校教育コース4年 立野健翔)観察実験アシスタントに参加して●地域教材研究(富山学) 本講義の目的は、富山県に関する歴史・自然・産業・文化など富山県に特色ある内容を取り上げ、地域に対する理解を深めることを通して、(i)教員としての情熱・希望・使命感を高めるとともに、(ii)教材開発などの実践的指導力の向上を図ることにあります。この講義においては、富山県教育委員会から派遣された各教育事務所等の指導主事の方を講師として、15回の講義の内11回分を担当していただいています。●自分たちが住んでいる地域だからこそ、経験できることをたくさん経験し、目で見て触れて学ぶことができれば、身近なので親しみやすく自分たちが住んでいる地域のよい所も悪いところも知ることができる。●私は、富山県出身でこの講義で取り上げられた教材は、身近で親しみがあるのものが多かった。そのためもあってか、毎週楽しみながら積極的に講義に参加することができた。●今回、この講義内では実際に自分たちが教材に関連することを体験したり、実践する機会が多かったりしたので、このような授業の仕方を学ぶことができてよい経験になった。●子どもたちにいかに面白さや魅力を伝え,より地域について学んでもらうために、子どもが主体に活動できるように教師が授業をすることが大切だと思った。●地域に一つある公民館や歴史資料館といった公共の教育施設と連携して授業をより充実させたものを工夫する必要性を感じた。受講学生の感想●令和元年度に行われた講義の内容第6回 富山学「立山の歴史と文化ー立山曼荼羅を通してー」第12回 富山学「富山の自然と体験型教材」第11回 富山学「歌い継がれるこきりこの魅力 再発見」第1回 「富山学」とは何か第2回 地域教材研究とは何か第3回 教材研究の楽しみー「米騒動」の授業づくりを通してー第4回 過去から未来へつなぐ 南砺の産業第5回 富山の美術鑑賞学ー地域の美術を授業に生かすー第6回 立山の歴史と文化ー立山曼荼羅を通してー第7回 高岡の歴史・文化に学ぶ~地域の資源を生かして~第8回 英語翻訳の魅力ー富山のことばを通してー第9回 現代社会における伝統文化の継承 ー越中城端の曳山・庵唄を中心にー第10回 奥の細道 芭蕉が見た「とやま」ー思いを五・七・五にー第11回 歌い継がれるこきりこの魅力 再発見第12回 富山の自然と体験型教材第13回 あの日 あの時 ふるさとごはんーとやまの食文化ー第14回 地域の自然素材の教材化 ー「流れる水のはたらき」の授業からー第15回 「富山学」まとめ5

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