工学部案内2016
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30CLOSE UP LABORATORY 超伝導とは、特定の物質・素材をごく低温に冷却したときに、電気抵抗がなくなる現象のことを指します。MRIやリニアモーターカーなどでは、-270℃程度まで素材を冷却しています。「もし超伝導が常温で実現できればその効率は飛躍的に上がります。動くものはすべて超伝導技術でつくられるようになり、半導体の誕生・普及以上の産業革命が起きるといっても過言ではないでしょう」と西村先生は語ります。すでに-170℃で超伝導になる素材や、特定の条件下であれば-100℃で超伝導になる素材が発見されていますが、「これまでの研究では、なぜ超伝導になるのかが明らかにされていません。原理がわかれば、それを応用して常温での超伝導も可能になるはずです」(西村先生)。 西村先生の研究室では、「合金の技術を生かし、まだ世の中にない超伝導素材をつくる」「これまで超伝導の材料と思われていなかった素材について調査する」という2つの方向からアプローチ、新素材探しを進めています。また超伝導に関連して、新しい磁性材料の研究も進めています。こうした数々の研究を支えているのが磁気、電気、熱の特性を測定できる専用の設備機器。いつでも低温状態を実現できるようになっており、北陸でこの種材料系・機械系のメーカーなどの製造業が主な就職先です。製造業の盛んな東海地方への就職割合が非常に高くなっています。実現すれば21世紀の産業革命に。超伝導の新素材を探究研究室紹介の装置を完備しているところは珍しいとのことです。 新しい超伝導・磁性材料を発見するには、文献を調べて可能性を見出し、実際にものをつくって特性を調べるという工程を踏みます。このプロセスを習得した学生たちは産業界から高く評価され、様々な業種の企業に就職しています。【製造】アイシン軽金属、アライドマテリアル、イビデン、オンダ製作所、関東自動車工業、キャタラー、クボタ、小松製作所、三協・立山ホールディングス、新日軽、スズキ、住友軽金属工業、ダイハツ工業、東芝、トヨタ自動車、豊田自動織機、ニコン、日軽エムシーアルミ、日産化学工業、日産自動車、パナソニックエレクトロニックデバイス、日立金属、古河電気工業、本田技研工業、村田製作所、ライオン、リケン、リンナイ、YKK、YKKAP 【運輸】西日本旅客鉄道 【サービス】三菱電機ビルテクノサービス 【公務】各県庁・市役所・消防署など就職状況主な就職先(大学院修了生を含む)リニアモーターカーやMRI(磁気共鳴画像)に用いられているのが超伝導技術。西村克彦先生は、その超伝導技術に欠かせない素材の研究に取り組んでいます。一般的に、超伝導を実現するには素材を極低温にする必要がありますが、西村先生は常温でも超伝導の性質が表れる素材を探究しています。先生の研究内容を紹介します。物性制御工学西村克彦教授Career業種製造業27%建設業7%関東5%卸売・小売業 2%サービス業 7%富山29%東海52%石川・福井14%進学53%情報通信業 4%地域

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