富山大学人文学部案内2018
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可能性、無限大。■言語学■日本語教育学わたしが話す、あなたに伝わる。なぜ?どのように?ことばを科学する。言語学コースことばに科学的にアプローチ。山方 美乃(やまがた よしの)さん 日本語教師になりたいという、高校の頃からの気持ちが日々増していき諦めることが出来ず、言語学コース日本語教育学分野へ編入学をしました。言語学では言葉を多方面から観察することによって、日々心が躍るような「言葉」の新しい発見と出会うことができ、また、日本語教育学では日本語母語話者の私たちが普段気づきもしないであろう「日本語学習者の目線に立った日本語」を考え、授業実習を通してその実際を経験することが出来ます。 現在、私は「JSL(日本語を第二言語としている)児童のための国語科問題文用語教材」をテーマに研究を行っています。学習言語能力の習得には5~7年かかると言われ、JSL児童にとって学校の授業を日本語母語話者と共に受け、実際に問題を解くことは容易なことではありません。JSL児童の日本語学習の力になればとやりがいを感じ取り組んでいます。 日本語教育に関心がある方、ぜひ、ボランティアなどで実際に「教える」ことを経験してみてください。自然と自分に何が必要なのかが見えてきます。それを学べる場所が人文学部言語学コースだと思います。●卒業論文に採り上げられた研究テーマ例「福井方言における2拍名詞アクセント」「日本語ラップの韻の知覚について」「特殊拍のありようからみた短縮語の形成について」「金沢方言における文末助詞ネとヤについて̶話し手と聞き手の関係から̶」「富山方言の方言景観と県民意識」「高校生勧誘の会話̶日本語学習者と日本語母語話者の相違̶」「在日ブラジル人の日本語学習̶漢字の読み教育に焦点を当てて̶」●教員の専門分野教 授教 授教 授准教授呉人  惠樋野 幸男山﨑けい子安藤 智子■言語学■日本語学■日本語教育学■音声学・音韻論コリャーク語学、言語類型論、言語人類学日本語の書記、室町時代の日本語学習環境のデザイン、接触場面の会話の分析ロシア語音韻論、東濃方言の記述 大学時代は音声学に興味をもち、言語調査の方法について勉強しました。そこで学んだことを生かそうと、今の仕事に就きました。医療の世界では、例えば看護師や言語聴覚士などの養成課程として、言語学や音声学の知見が必要とされます。また、私自身も認知症や記憶障害などをもう一つの研究課題とするために、日々勉強しています。 仕事で行う調査の一環として、調査対象の人たちの間に伝わる昔話や伝説などを収集することがあります。時に「お前も話せよ」と言われるのですが、これが存外難しく、いつもしどろもどろ。語りとは素晴らしい業だなと思います。 人文学部は規模が大きく、いろいろな専門が学べます。さまざまな刺激を受けられる環境は学生にとって大きな魅力。実用的かどうかなんて気にせず突き進む。何かに詳しくなると自信がつき、自信がつけば前を向ける。前を向くと視界が広がる。そんな4年間になるといいですね。学生にとって、さまざまな刺激を受けられる環境こそが幸せ。山田 敦士(やまだ あつし)さん日本医療大学 保健医療学部(准教授) 1999年卒業安藤 智子(あんどう ともこ)准教授教育研究分野/言語学 「日本語は難しい言語だ」「間違ったことば遣いをする人が増えている」といった発言を聞いたことはありませんか?言語、とりわけ日本語は、私たちにとってあまりに身近なものであるため、日本語の特徴や新しい言い回しなどについて、証拠もなく感覚的な評価をしたり、思い込みをしたりということがよくあります。言語学コースでは、「言語学」と「日本語教育学」という関連性の強い2つの分野で、言語そのものの性質や日本語教育の様々な側面について、科学的な考え方を身につけていきます。 「言語学」の分野では、世界に幾千とある言語の多様性と共通性、個々の言語の発音や文法上の特徴、歴史や使用実態などを学ぶ中でデータに基づく客観的な言語観を養い、その分析方法を身につけます。学生は各自の関心に合わせて研究テーマを決め、出身地の方言の分析や異なる言語の特徴の比較など、さまざまな興味深い研究を行っています。言語についての分析力は、知的活動の中でも極めて重要。 言語学コースでは、教育研究分野として、言語学と日本語教育学を設けています。ことばを科学的にとらえる視点とことばに関する科学的な知識を身につけることに重点をおき、幅広く言語学の諸テーマを研究していきます。日本語教育に携わることを希望する学生には、その資質を高める教育をおこなうとともに、日本語教育学関係科目履修証明書を発行するなど、日本語教育でのキャリア作りに向けた支援をおこなっています。さらに、認知科学、哲学・思想、異文化研究や社会科学など、人文学部の諸分野とも連携しつつ、学生の幅広い関心に応える教育を目指しています。「なりたい自分になる。」言語学日本語教育学Professor's Voice教員からのメッセージOB・OGVoice卒業生からのメッセージStudent'sVoice在学生からのメッセージ11

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