医学部案内2016
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生命が循環する自然環境の富山 ここ富山県は,北に水深千メートルを超す富山湾が位置し,東,南,西,の三方に標高三千メートルの立山連峰が連なる緑豊かな山並みに囲まれた豊穣の扇状地です。冬に日本海で発生し季節風で連峰にぶつかる雲がもたらす雪が生命の源となり,広大な野が生命の糧を生み続けます。さらに,連峰や森から流れ下る河川は富山湾に流入し,そこで多様な海の生物を育みます。このように,富山県は生命の循環システムと長い歴史の中で蓄積されてきた固有の伝統・文化に恵まれています。まさに,人の命に係わる医学を学ぶにふさわしい水,みどり,命が循環する自然環境の地なのです。杉谷(医薬系)キャンパスの特徴 この富山県のほぼ中心に位置する杉谷キャンパスに私たちの医学部があり,開学から39周年が経ちました。ここ杉谷キャンパスでは伝統医薬の富山で先端医科学を指向し,「西洋医学と東洋医学の統合」と「医学と薬学の連携」を理念とし,「仁愛の精神」を育む教育を行っています。同じキャンパスには薬学部と和漢医薬学総合研究所,附属病院があります。 本学で特徴ある教育を受けた医学生や看護学生は,近年一層海外とも交流を深めており,在学中からアジアの隣国に限らず米英豪など欧米にも研修に出て行っています。平成19年からは,韓国の忠南大学の医学生が臨床実習のために来学しています。また,伝統と先端科学が織り成す医学に魅了されて内外から学生,研究者が集まり,杉谷キャンパスの国際化が一層進んでいます。そして,北京,上海,重慶,大連,内蒙古,哈爾濱(ハルビン)などの中国各地の大学,タイのチュラロンコン大学,ロンドン大学などと学術交流協定を結び,ハワイやメルボルン大学などと医学教育の相互交流を行っています。常に世界に通じる途への扉を開き続け,世界の息吹の中で医療人教育を進めています。 ところで,昨今は,地域医療への一層の貢献が医学部に求められています。行政や医師会・看護師会と連携し地域医療の学究拠点として地域性に富んだ教育環境を作り上げ,富山の医療人材の確保に一層努めています。入学定員 募集人数は,医学科では一般入試80人と15人以内の富山県内の高等学校出身推薦入試(地域枠)と10人以内の自己推薦入試(特別枠),看護学科では一般入試60人と推薦入試20人で,この他に,第2年次学士編入の医学科5人,第3年次編入の看護学科10人の編入学があります。 大学院では,医科学専攻(修士課程)15人,看護学専攻(博士前期課程)16人,生命・臨床医学専攻(博士課程)18人,東西統合医学専攻(博士課程)7人,認知・情動脳科学専攻(博士課程)9人,看護学専攻(博士後期課程)3人が募集人数です。医学部の教育 医学科では6年,看護学科では4年の一貫教育を行っています。教養教育では,幅広く深い教養を積むとともに,医学や看護学を学ぶ準備教育もあわせて実施しています。1年次の「医療学入門」や2年次の「和漢医薬学入門」では,薬学部の学生も含めて各学科の学生が一緒に学べるよう工夫しています。専門教育では熱心な教員が高度職業人としての知識・技術を教育します。 医師や看護師になるための研鑽をこの富山の地で積み,人々の生命を護り,頼りにされ,人々に支えられる医療人としての理想を持って巣立っていく人材の育成を強く志しています。未来の医学・医療に夢をかける皆さんに杉谷キャンパスでお会いできることを願っています。2命が循環する自然環境の富山で伝統と先端医科学を織り込んだ医学を学ぼう!医学部長  村 口  篤

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