富山大学医学部案内2020
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富山大学医学部の歴史 本学医学部は,富山県民の強い要望により1975年(昭和50年)に北アルプスを一望できる丘陵(現,杉谷キャンパス)に富山医科薬科大学医学部として創設されました。その後,1993年に県内初の看護系大学として看護学科が新設され,2005年には旧富山大学ならびに高岡短期大学と統合され,新たな富山大学医学部として生まれ変わりました。そこでは,「薬の富山」としての300年の歴史を背景に薬学部ならびに和漢薬研究所(現,和漢医薬学総合研究所)と密接に連携して東西医学の統合を目指した特徴ある教育・研究・臨床を行っています。また,杉谷キャンパスの一角にある記念碑に建学理念である「里仁為美」という言葉が刻まれています。これは論語の一節で「仁におるを美となす」と読み,その意味は「他人を慈しむことを心の拠りどころにすることが最も良い」と理解されます。本学医学部では,この理念に基づいて慈愛の精神を持って全人的な医療を実践できる医療人の育成に努めています。医学部の教育と研究 医学科は6年,看護学科は4年の一貫教育を行っています。1年次は,2018年度から五福キャンパスで他学部生といっしょに教養教育を学修するようになりました。また,医学部(医学科・看護学科)と薬学部(薬学科・創薬科学科)の学生がいっしょに学修する「医療学入門」や「新入生研修」を開講し,医療人となるためのオリエンテーションを実施しています。2年次には「和漢医薬学入門」を開講し,伝統的な東洋医学を早期に学べる特徴のあるカリキュラムも用意し,東洋医学と西洋医学の先端的医学知識を身につけた意欲的な学生の育成を行っています。臨床に関する教育においては,地域医療に貢献できる人材育成に加え,新専門医制度に対応した専門医養成,専門看護師養成に力を入れています。また,国際性を身につけるために在学中から海外で臨床研修ができる制度を設けています。さらに,医学科では,2015年度医学教育における分野別認証評価(国際認証)2「東西の知」を育み「慈愛の精神」を培う医療人教育を実践します医学部長 足 立 雄 一を受審し,国際基準に適合していると2018年3月に認定されました。また,看護学科でも受審準備中です。 研究面においては,生命科学分野で世界トップレベルの研究を展開し,脳神経科学領域でも,世界から注目される研究成果を次々に発表しています。大学院においては,特徴ある東西医学融合研究に魅せられて,海外から多くの学生が本学に留学し,国際研究交流も活発に進んでいます。入学定員 医学科の募集人員は,一般入試が80名,富山県内の高等学校出身者を対象とした推薦入試「地域枠」が15名以内及び富山県内の高等学校出身者(卒業後2年以内を含む)等を対象とし,医師免許取得後に一定期間富山県内で診療に従事することを要件とした自己推薦入試「富山県特別枠」が10名(予定)です。看護学科の募集人員は,一般入試が60名及び推薦入試が20名です。この他に,帰国生徒入試(医学科・看護学科),社会人入試(看護学科)及び私費外国人留学生入試(医学科・看護学科)がそれぞれ若干名となっています。また,編入学として,医学科学士入学(第2年次編入学)の5名及び看護学科第3年次編入学の10名があります。 大学院の募集人員は,医科学専攻(修士課程)15名,看護学専攻(博士前期課程)16名,生命・臨床医学専攻(博士課程)18名,東西統合医学専攻(博士課程)7名,認知・情動脳科学専攻(博士課程)9名及び看護学専攻(博士後期課程)3名です。 富山県には,四季折々の変化に富む豊穣の平野があり,3000m級の北アルプスから水深1000mに落ち込む富山湾があります。この素晴らしい自然環境のもとで,勉学や課外活動などを通して青春を謳歌してはいかがでしょうか。医学部では,「東西の知」の基礎をしっかり身につけ,「慈愛の精神」を培う医療人教育を提供しています。皆さんと杉谷キャンパスでお会いできることを楽しみにしております。

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