富山大学医学部案内2021
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初年次教育(1年次前期~)本学の医学教育の特徴は,入学から卒業まで一貫性をもって医学を学修する6年一貫教育と総合大学の強みを生かした多職種連携教育です。たとえば,1年次前期の「医療学入門」においては,医療を取り巻く諸問題を,看護学生や薬学生と一緒にグループワークを通して考える多職種連携教育を実施しています。現代の医療では,医師,薬剤師,看護師などの多職種による連携が求められており,本学では1年次よりその素養を涵養します。また,1年次後期の「医学概論」では,医学部の教授陣による最新の医学をオムニバス形式で幅広く学修します。また,自らの医師としてのキャリア形成を考えます。また,希望者は「ニュージーランド短期語学研修プログラム」に参加して海外経験を積むことができます。大学によっては,1年次は教養教育のみで,2年次から専門教育を実施しています。そのような大学では,学生の医学に対する学習意欲が,教養教育を受講している間に低下してしまう場合もあるようです。本学では,教養教育の学修と並行して入学直後から専門教育を行うことにより,医学に対する学習意欲を維持できるようにカリキュラムを構築しています。基礎医学教育(1年次後期~)医学の専門教育は,基礎医学教育,臨床医学教育,社会医学教育の3つに分類されます。基礎医学教育は,1年次後期から始まります。基礎医学教育では,人体の正常な構造と機能,疾病の原因や生体防御の仕組み,異常な構造と機能について学修します。具体的には,解剖学,組織学,生理学,分子生物学,微生物学(ウイルス学・細菌学・真菌学・原虫学・寄生虫学),薬理学,病理学,行動科学,放射線基礎医学などを講義と実習形式で学修します。また,基礎医学の統合教育を実施しており,基礎医学の各分野における相互の関係性や臨床医学との関係性についても理解が深まるようにしています。臨床医学教育(3年次前期~)臨床医学教育は,3年次前期から始まります。臨床医学教育では,各種疾病の「診断」と「治療」を学修します。臨床医学教育における本学の特徴は,基礎医学と臨床医学の教員が連携・協働した統合型カリキュラムによって,疾病別に病態,診断,治療を学修することです。たとえば,糖尿病などの「内分泌疾患」の講義では,病理学の教員が内分泌疾患の病態について概説します。次に,内科学と小児科学の教員が,成人と小児の内分泌疾患の診断と治療について概説します。そして,外科学の教員が内分泌疾患の外科的手術を概説することで,内分泌疾患を統合して学修します。大学によっては,病理学,内科学,小児科学,外科学のそれぞれの講座で関連する疾患を教育するという「講座中心」の臨床医学教育を実施している大学もあります。本学では講座の垣根を越えた「疾病中心」の教育を行っているのが特徴であり,臨床医学を統合して修得できます。社会医学教育(3年次後期~)社会医学教育は,3年次後期から始まります。臨床医学は富山大学医学部医学科カリキュラムの特徴医学科長 関根 道和6年一貫教育により,高度な知識と技術をもった人間性豊かな医師や医学者を養成します1年 2年 3年 4年 5年 6年初年次教育基礎医学教育臨床医学教育社会医学教育研究教育医学科カリキュラム概要6

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