富山大学薬学部 学部案内2017
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4薬学は、化学・物理学・生物学を基礎に生命科学や自然科学を基盤とした多彩な領域からなる学問分野です。薬学の目的は、薬の理解を通じて、人類の健康、福祉、衛生及び健全な社会環境の保全に貢献することです。富山大学薬学部では、幅広い知識と確かな技能を備えた質の高い薬剤師の養成とともに、専門的な薬学の知識と研究技術を身につけた創薬研究者・技術者の養成を行っています。「くすりの富山」の地で、「くすりのスペシャリスト」を目指してがんばってみませんか。学部長からのメッセージ 富山大学薬学部長 細谷健一 1690年、江戸城で腹痛を起こした大名に、富山藩第二代藩主・前田正甫公が「反魂丹」を与えたところ、たちまち治ったことから、これを知った諸国の藩主から「反魂丹」を売り広めるよう頼まれました。そこで正甫公が薬業を奨励し、売薬さんが全国に「とやまの薬」を売り歩くようになりました。「先用後利(せんようこうり/先に薬を渡しておき、つかった分だけ後で集金する)」と呼ばれる独自の商法で販売されていたため、身近な常備薬として定着しました。 「富山の売薬さん」は、後継者育成のために教育にも力を入れ、共立富山薬学校(富山大学薬学部の前身)の創設にも尽力しました。売薬を中心に様々な産業が発達し、現在までに受け継がれています。「富山の売薬さん」がいなかったら、今の富山は全く別のものになっていたと考えられます。ミニ講座 富山の売薬さん幕末の富山の絵師松浦守美によって描かれた版画で、富山の売薬さんが全国におみやげとして持ち歩いたものです。この絵に描かれているのは、富山を流れる旧神通川に架かる「舟をつないでつくった橋(舟橋)」です。なお、元の版画は富山市売薬資料館に所蔵されています。JR富山駅前「売薬さん像」1690年頃 富山藩第2代藩主・前田正甫公が薬業を奨励 反魂丹を中心とした配置薬「越中富山の薬売り」を 全国に展開1893年(明治26年)  本学薬学部のルーツ、共立富山薬学校創立1910年(明治43年)  富山県立薬学専門学校に改組1920年(大正9年)  全国初の官立薬学専門学校(富山薬専)に改組1949年(昭和24年)  旧富山大学薬学部が発足1963年(昭和38年)  薬学部附属和漢薬研究施設を新設1975年(昭和50年)  富山医科薬科大学が開学2005年(平成17年) 三大学統合により富山大学薬学部として再編2006年(平成18年)  薬学部を薬学科(6年制)と創薬科学科(4年制)に改組 大学院を医学系研究科と統合し、医学薬学教育部に改組2014年(平成26年) 富山大学薬学部創立120周年記念事業「3つの融合」の足跡

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