富山大学理学部 学部案内2017
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学科紹介/地球科学科12ラボラトリーResearch groupsInterview○大学院に進学した理由は何ですか?瀬間:私は学部に入学したときから決めてたよ。やっぱり,どうせ大学に行くなら大学院まで進もうって漠然と思ってた。牧村:私は大学4年から始めた卒業研究が楽しくて進学しようと思ったよ。せっかく始めた研究を1年で終えるのはもったいない!!○大学院に進学して良かったと思える点は何 ですか?牧村:学部の時よりも自主的にフィールドワークに出れることかな。やっぱり自分の目で見て感じれるとこがとても楽しい!瀬間:そうだね!遭難しかけたこともあったけど(笑)それもいい思い出だよね。私は研究しながらも仲間と議論したり,遊んだり…とても充実した生活が送れるのも魅力だと思う!あとは,学会などでいろんな人とお話しできるのも楽しい!牧村:たしかに!今まで自分で学んできたことを活かして進めてきた研究が学会で評価されるのは達成感があるよね!地球科学科4年 地球科学という学問をご存知でしょうか。地球科学には様々な分野があり、地球の内部構造や地質、火山、気象、雪氷、地球電磁気などを対象としている学問です。 富山大学の地球科学科では学部の1、2年生で地球科学全般の基礎を中心に勉強し、3年生になってからは自分が興味を持ったことをより専門的に学べるプログラムが組まれています。 富山大学の地球科学科の特徴として「豊富なフィールドワーク」が挙げられると思います。富山大学の周辺には立山連峰を始めとする3000m級の山々や、水深が1000m以上もある富山湾があります。私たちは全学年を通してしばしばここに足を運びます。私はフィールドワークから自分の足で情報を集めることの大切さを学びました。 また実験の講義も充実しており、自然現象を理解するための様々な手法を学べます。自分の実験データから考察し次の実験を成功させることが実験のやりがいだと思っています。 私は現在雪氷学の分野で吹雪の研究をしています。しかしこの3年間私が学んだ分野はどれも非常に魅力的でした。この地球科学科ではきっと皆さんがやりたいことを見つけられると思います。 そして地球科学科には自然が大好きな仲間が集まっています。私はこの地球科学科で最高の仲間と出会うことができました。大学生活を自然の中で過ごしたいと思っている皆さん、富山大学で待ってます!!大学院理工学教育部地球科学専攻修士課程2年 この分野ではおもに三つの対象について研究しています。一つは「地磁気」です。地球のコアで生成される地磁気は、向きや強さを絶えず変化させています。我々は、岩石や堆積物に記録された残留磁気(地磁気の化石)や観測を利用して、地磁気の変動を研究しています。プレート運動や気候・環境変動、地下資源、考古学への応用等も研究テーマとなっています。 二つめは「雪と氷」の科学です。雪や氷結晶の物理的性質・成長といった基礎研究から、積雪から探る大気環境変動まで研究は多岐にわたります。とくに、北アルプスの積雪・雪渓など、富山の地域性を活かした研究や、衛星データを用いた雪氷変動の研究をおこなっています。 三つめは「海洋」です。地球環境の視点から富山湾や日本海等の日本の周りの海の構造がどのようになっており、どのように変動しているのかを観測データ解析や数値シミュレーションによって解明します。地球圏物理学分野Geosphere Physics富山湾に特有の「寄り回り波」のコンピュータシミュレーション結果立山室堂平での積雪調査 地球の地下深くから頭の上の大気まで、地球全体を対象に、現在進行形のダイナミックな変動現象を研究しています。地質調査、観測、実験、データ解析、数値シミュレーションなど、研究対象に応じて様々な手法が用いられています。 「地震とプレート運動」に関わるテーマとしては、活断層の調査、GPSによる地殻変動の観測やモデル化(数値シミュレーションを含む)、岩石の物理的性質に関する実験などが挙げられます。また、深海探査機によるメタンハイドレート調査など、海での観測にも力を入れています。 「気象」の研究としては、その整備された観測網や観測データ、数値モデルなどを駆使して、気候変動や異常気象を起こすメカニズムの解明、雲や微粒子(エアロゾル)が地球温暖化に与える気候影響の解明などに取り組んでいます。地球ダイナミクス分野Geodynamics高圧装置を用いて地球内部の岩石の性質を研究立山浄土山での雲や大気中の微粒子(エアロゾル)の観測 地表にはマントルの断片や40億年も昔の大陸の一部が露出しています。ある種の岩石は地球のコア近くの情報をもたらします。また、地層や化石からは過去のプレート運動や生物圏を含めた古環境が復元できます。さらに、過去の火山噴出物は将来の噴火活動を予測するための鍵を握っています。これら現在の地表で見られる「岩石と鉱物」、「地層と化石」などを手がかりとして、地球内部の様子や動き、地球の成り立ち(地球史)などを研究しています。 この分野では、フィールドワークを最重視し、野外から多くのデータとアイデアを得る能力を培う教育に力を入れています。ここで培われる能力は、物理学や化学など他のいかなる学問分野でも習得できない能力であり、就職先で大いに役立っています。地球進化学分野Geological Science男体火山、山頂火口内での地質調査モンゴルでの地質調査

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