富山大学理学部 学部案内2017
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学科紹介/化学科8ラボラトリーResearch groupsInterview超音波発光実験触媒表面に吸着した物質の定量●第一研究室(有機化学) 自然界に存在しない有機化合物や有機金属化合物をあらたに設計・合成し、それらがもつ興味深い性質や機能、構造、反応性について実験と理論の両面から調べています。とくに、外部刺激に応答する化合物、半導体材料やアモルファス、ホウ素を含有する機能性化合物について研究しています。機能性化合物の合成●第二研究室(天然物化学) 自然界には多くの生物活性有機化合物が存在しています。それらの多くは不斉炭素をたくさん持つ複雑な構造をしています。第二研究室では、このような複雑な構造を持つ有機化合物の合成を可能とする有用な反応の開発を行っています。また、その応用として、生物活性天然物の合成を行っています。天然物の合成●第三研究室(生化学) RNAはDNA類似の遺伝子分子として、また蛋白質に匹敵する生体触媒分子として、生命活動で多彩な役割を担う生体高分子です。RNAは化学と生命科学を跨ぐ基礎研究の対象と同時に、医療や創薬への応用からも高い注目を集めています。私たちは生化学解析と人工創製を通じRNAの多彩な機能の秘密と可能性を探求しています。遺伝子工学によるRNA合成低温での発光寿命測定発光性錯体の合成●第一研究室(物理化学) 触媒について研究しています。触媒は化学薬品などを合成製造する際に欠かせないものであり、また最近では、環境触媒としてNOxや悪臭の除去などにも幅広く使われています。このような触媒の働き、活性発現機構などについて、物理化学的手法を用いて、基礎的理論的研究から実用的研究まで幅広く研究しています。●第二研究室(光化学) 分光法や計算化学の方法を用いて電子励起状態の性質や反応に関する研究を行っています。最近、新しい発光素子や光-電気変換素子として有機-無機複合分子が注目されています。このような分子の励起状態についての基礎研究は、光機能メカニズムの解明や新規分子設計などの応用研究へと発展できます。●第三研究室(無機・分析化学) 溶液に強いレーザーパルスを照射することによって、極端に平衡状態から離れた「強度非平衡状態」を作り出すことができます。このような極限状態を、溶液化学やレーザー光化学、散乱理論、顕微観察などの手法を用いて明らかにしようとしています。医学・薬学・光学的応用についても検討しています。●第四研究室(錯体化学) 新しい構造・物性・反応性を持つ金属錯体の合成を行っています。金属イオンは配位子と組合せることにより、様々な構造や 性質を持つ錯体となります。現在は、発光性を示す錯体と刺激に応答して構造や性質を変化させる錯体の合成に加え、二酸化炭素・酸素・窒素 などの小分子を活性化する錯体の開発を進めています。合成有機化学分野Synthetic Organic Chemistry反応物性化学分野Inorganic and Physical Chemistry 皆さん、化学とはどのようなものでしょうか。私が高校生だったときは、モノとモノを反応させて全く違ったモノを作ることだと思っていました。ところが、大学で化学を学ぶと、これまで学んできた化学から、さらに奥深さに引き込まれるようになりました。 大学での化学は、高校までに学んだ化学とは大きく異なります。高校までは化学式などを暗記することが多かったと思いますが、大学では、高校では暗記していたことを原理から詳しく学びます。1年生、2年生のときは基礎的、また専門的な化学を勉強しますが、正直、最初の2年間については、化学科らしいことは、ほとんどありません。けれども、3年生になるとこれまでに学んだ知識を生かして学生実験を行い、実験に必要な基礎的な技術を学びます。また、これまで教科書でしか見ることができなかった実験が、自分の手で実験できるようになります。4年生になると、専門的な研究をするために研究室に配属され、それまでに得た知識や技術を使って研究を行います。研究は、答えがわからないことを自分の手や頭を使って答えを導き出します。うまくいかないことや思ったような結果が得られないこともありますが、そのときは先輩や先生方からアドバイスをもらうことができるので、心配になる必要はありません。 4年間の大学生活でより化学に深くかかわれるので、化学に興味のある人は一緒に勉強しましょう。化学科4年 中学や高校で化学を学び、化学に対して面白いなあと感じたり興味を持ったりしたことはありますか?それを実際に経験してみたいと思ったことはありますか?化学科ではその思いを実現させることが出来ます。今まで学んできた知識に加えて、2年間さらに化学の基礎知識を身に付け、3年次から本格的に実験の手法や考え方を学び、4年次に研究室に配属されて与えられたテーマについて研究をしていきます。 「研究」は「勉強」と違って手法や結果のような答えが分かっておらず、その答えを導き出すことが「研究」というものになります。文献などで調べ、実験をして得られた結果から考察することが重要になりますが、思うようにいかないことも多々あります。しかしその分、先生や先輩方に相談するなどして思い通りの結果が出たときの達成感はとても大きく、良い経験になります。 周りの人たちに囲まれ活気溢れた研究室生活を、是非送ってみませんか?大学院理工学教育部化学専攻 修士課程2年

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