富山大学理学部案内
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学科紹介/生物学科10生体制御学分野Regulatory Biology生体構造学分野Structural BiologyラボラトリーResearch groups 私は小さいときから生き物が大好きでした。動物も植物も。 大学選びは悩みました。極端な話、自分自身は生き物を育てることがやりたいのかそれ以外のことがやりたいのか。最終的には富山大学の生物学科に入学しました。高校時代に悩んでいたことはなんのその。入ってみると、生き物を育てることもそれ以上のこともできました!!ここは“生き物を深く知る”そういう学科です。 私が大学院へ進学したのは、単純かもしれませんが、学部4年生のときの研究室配属で研究することの面白さを知り、それをもっと続けたいと思ったからです。私の研究室では植物の染色体の観察を主に研究しています。植物の染色体は、同じ種の植物であっても数が違うことあれば、形も違うことがあるのです。また研究室内の活動だけでなく、研究対象の植物の採集にいろいろな場所へ出かけます。自然豊かな富山県もさることながら、富山県外へもどんどん出かけました!  上手くいかないことのほうが多いですが、その時はまわりの人たちが必ず支えになってくれます。またそれが、次への一歩に繋がります。失敗を恐れずにどんどんいろんなことへチャレンジしてみてください!大学院理工学教育部生物学専攻修士課程2年 生物学科では、動物や植物、微生物のような生き物を対象とし、分子のレベルから群集・生態のレベルまで、様々な面から生物について幅広く学ぶことができます。1年生のときは生物以外の一般教養を学ぶことが多いですが、2年生以降は生物について、基礎的なことはもちろん専門的なことを学べる講義が増え、各分野の詳しい部分まで知ることができるのでとても興味を引かれます。ホルモンや臓器の働きなど、自分の体のことについても学ぶことができてとても面白いです。また、実際に生物を用いた実験も多く行われるようになり、実験手法や器具の扱い方など、実践的なことも身に付けることができます。さらに、富山県の大自然を活かした野外での実習もあり、山や海で生き物と触れ合うことができてとても楽しいです。皆さんも、自然に囲まれた富山大学で生物と直に触れあい、一緒に生物について学んでみませんか?生物学科3年  生物は不変ではなく時間とともに変化します。その変化には、ひとつの個体内で見られるプロセスすなわち形態形成と、もっと長い時間をかけておこるプロセスすなわち系統進化があります。しかし、生物学の視点はプロセスの記述だけではありません。なぜ変化するのか、その仕組みについて探究するのも生物学の大きなテーマです。生体構造学分野ではこれらの面について総合的に研究し、生物の多様性の理解を目指しています。当分野に在籍する教員は植物・動物の形態学、発生学、分類学、系統進化学の専門家ですので、分野の第一の看板は細胞以上のマクロなレベルの系統進化的研究だといえるでしょう。しかし、研究の分野はこれだけに留まりません。その他の研究テーマを見てみると、植物の染色体を扱ったり、昆虫が示す複雑な社会性の成因や、水棲動物の繁殖様式の実態、また遺伝子情報を用いて動物の系統関係や進化を研究している人もいます。人間の活動による生物の大量絶滅が危惧される中、21世紀を迎えた今、生物多様性の正しい認識が我々には益々必要となっています。当分野では生物多様性を広くそして深く学ぶべく、教員と学生がともに日夜努力しています。 私たち人間や多くの動植物は、1個の受精卵から出発して、ある一定の姿・形を持った、多細胞から成る個体へと発生・成長します。動植物の個体を構成している細胞は、種々様々に分化して、それぞれ特定の役割を担っています。生体制御学分野では多種多様な細胞がどのようにまとまって個体として成り立っているのか、どのように協調しあっているのかについて多方面から研究し、理解しようと努めています。植物学を専攻する4名の教員はそれぞれ、細胞レベルと遺伝子レベルで成長のメカニズムや光合成や脂肪酸合成に関係する遺伝子の発現機構、葉・根などの器官分化を制御している遺伝子を解明しようとしています。動物学を専攻する5名の教員は形態学、生理学、生化学、分子生物学的手法を駆使しながら、光などの環境条件との関係、体内時計や睡眠制御機構、ホルモン作用を手がかりにして水・電解質代謝、脳ペプチドの役割などに関係する様々な調節機構について研究しています。生命科学の世紀になるといわれる21世紀には、今まで以上に多様な生理現象についての理解が求められるでしょう。当分野の教員一同は、次代を担う生物学を志す学生諸君と共に積極的な教育・研究活動を展開しています。卒業論文発表会生体構造学実験野外実習臨海実習生体制御学実験基礎生物学セミナー

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