富山大学理学部案内2021
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学科紹介/化学科8 化学科では、2年次までの座学で専門的な化学を基礎から学びます。3年次では、無機、有機、物理、分析化学の学生実験を行うのに加え、自分が興味を持った様々な化学の講義を自由に取ることができます。講義で理解できなかったことは、先生方から分かりやすく説明してもらうこともできます。 4年次では、研究室に所属して、各自のテーマについて最先端の研究を行います。研究には答えは用意されていません。実験を行い、結果を考察し、結論を出す。このサイクルを何度も行い、自分自身で答えを導くことを体験できる環境、失敗を恐れず様々なことへチャレンジしていくことができる環境が化学科にはあります。 研究室対抗スポーツ大会やサイエンスフェスティバルなどの行事で先輩との距離感も近く、学生生活などへのアドバイスなども聞くことができます。 化学が好き、興味がある、研究というものをしてみたいという人は化学科で一緒に勉強しましょう!大学院理工学教育部化学専攻 修士課程1年 化学科では最初の3年間は主に座学で学びます。2年生の後期からは、座学で身につけた知識や考え方を活かして基礎的な化学実験を行いますが、実験ならではの楽しさや大変さがあるのも化学科ならではだと思います。4年生になると卒業研究が始まり、研究室に配属されて、一人ひとりに専門分野に特化したテーマが与えられて研究を行います。それまでとは違って既に世の中にあることを教わるのではなく、世の中にまだないことを見つけます。それが化学『研究』の醍醐味でもあると思います。不安に思うかもしれませんが、研究室の先生方や先輩方、同級生のみんなと助け合いながらなので、心配無用です。「高校までの化学じゃ物足りない」と思っている方はぜひ、化学科で真理をとことん追求しましょう!大学院理工学教育部化学専攻 修士課程2年ラボラトリーResearch groups●第二研究室(光化学) 分光法や計算化学の方法を用いて電子励起状態の性質や反応に関する研究を行っています。最近、新しい発光素子や光-電気変換素子として有機-無機複合分子が注目されています。このような分子の励起状態についての基礎研究は、光機能メカニズムの解明や新規分子設計などの応用研究へと発展できます。●第三研究室(無機・分析化学) 溶液に強いレーザーパルスを照射することによって、極端に平衡状態から離れた「強度非平衡状態」を作り出すことができます。このような極限状態を、溶液化学やレーザー光化学、散乱理論、顕微観察などの手法を用いて明らかにしようとしています。医学・薬学・光学的応用についても検討しています。●第四研究室(錯体化学) 新しい構造・物性・反応性を持つ金属錯体の合成を行っています。金属イオンは配位子と組合せることにより、様々な構造や 性質を持つ錯体となります。現在は、発光性を示す錯体と刺激に応答して構造や性質を変化させる錯体の合成に加え、二酸化炭素・酸素・窒素 などの小分子を活性化する錯体の開発を進めています。●第一研究室(有機化学) 自然界に存在しない有機化合物や有機金属化合物をあらたに設計・合成し、それらがもつ興味深い性質や機能、構造、反応性について実験と理論の両面から調べています。とくに、外部刺激に応答する化合物、半導体材料やアモルファス、ホウ素を含有する機能性化合物について研究しています。●第二研究室(天然物化学) 自然界には多くの生物活性有機化合物が存在しています。それらの多くは不斉炭素をたくさん持つ複雑な構造をしています。第二研究室では、このような複雑な構造を持つ有機化合物の合成を可能とする有用な反応の開発を行っています。また、その応用として、生物活性天然物の合成を行っています。●第三研究室(生化学) RNAはDNA類似の遺伝子分子として、また蛋白質に匹敵する生体触媒分子として、生命活動で多彩な役割を担う生体高分子です。RNAは化学と生命科学を跨ぐ基礎研究の対象と同時に、医療や創薬への応用からも高い注目を集めています。私たちは生化学解析と人工創製を通じRNAの多彩な機能の秘密と可能性を探求しています。■反応物性化学分野 Inorganic and Physical Chemistry■合成有機化学分野 Synthetic Organic Chemistry先輩からのメッセージフェムト秒レーザー分光測定フォトニック結晶の作製機能性化合物の合成天然物の合成遺伝子工学によるRNA合成発光性錯体の合成

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