富山大学 医学部 学部案内2026
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 学士課程修了(大学卒業)後は,大学院進学で看護学を追究することができます。総合医薬学専攻看護科学プログラムは,5年間の一貫した博士課程です。所定の単位を修得し,学位論文を提出することで,修士(看護学),博士(看護学)の学位が授与されます。博士前期課程,博士後期課程と分けてありますので,博士前期課程で修士(看護学)取得後,一旦修了することもできます。その場合は,改めて博士後期課程に入学することになります。 看護専門職(保健師,助産師,看護師)として,人々の健康の保持増進,健康の回復,あるいは安らかな死のために,どう援助したらよいか・良かったか判断に迷うことが多々あります。人々の多様な価値観・人生観を尊重していく中で,その時々で上手くいったことも,別の場あるいは数年後に真逆の評価になることもあります。 このように正解の無い中,私たちの実践の質を支えるものは,①学問体系に裏付けられた知識と技術,倫理観,②それらを学び,納得できるまで修得してきたという「自信」を持てるようになること,③研究的視点で課題を見つけ,研究的アプローチで解決にあたる成功体験を積み上げることです。看護専門職は,自律して創造性をもってチャレンジし続けるために,生涯学び続ける必要があるのです。 ここに大学院で学ぶことの意義があります。本学大学院では,これらを実現させ得るカリキュラムと研究指導体制を整えています。そして大学院修了後は,看護学の研究者・教育者はもちろん,高度実践専門職業人,実践の場での指導者・相談者・研究者として活躍できます。 また本学大学院には長期履修制度もあります。この制度により,職業を持ちながら学び続けられるのです。長期履修を申請できる要件に該当すれば,標準修業年限の2倍まで,すなわち博士前期課程では2年のところ4年まで,博士後期課程では3年のところ6年までの修業が認められます。 博士前期課程看護科学プログラムの目的は,現代社会の多様な要請に応えるために,看護学専門領域における研究や学際的知見の成果を総合的に活用して,保健・医療・福祉の分野で活躍できる高度医療専門職業人又は教育研究者を育成することです。2年の修業年限以上在学し,所定の授業科目について所定の単位を修得し,かつ必要な研究指導を受け,論文の審査及び最終試験に合格することで,課程修了し修士(看護学)の学位が取得できます。 コースは4つありますが,どのコースにも研究指導,論文審査があります。それは実践の場で活躍する場合にも,「研究的視点で課題を見つけ,研究的アプローチで解決にあたる」能力が必要だからです。職場では業務研究もします。その能力を向上させるためにも基本的な研究能力を網羅的に学修する課程です。 まず全学大学院共通科目と研究科共通科目の履修により,どの学問領域にも共通する研究能力基盤をつくります。そのうえで看護科学プログラムの各コース科目で,専門的な知識・技術を修得し,チーム医療・多職種協働,国際連携が実践できるよう教育課程を編成しています。専門看護師(CNS),診療看護師(NP)各コースには,講義・演習科目に加え,実習時間も多くありますが,研究者コースと同様に修士論文審査を受けていただき,博士後期課程への進学ができるようにしてあります。① 研究者コース:看護大学の教員など,教育・研究に携わる方に限定するものではありません。看護実践の質を高めるために,看護学と学際領域の幅広く深い学識を持ち,一連の研究プロセスと網羅的に立案・展開できる研究能力を身に付けるためのコースです。② がん看護専門看護師(CNS)コース③ 母性看護専門看護師(CNS)コース26T O P I C S博士前期課程キャリアパスとしての大学院進学(看護学)~看護学の修士・博士の学位を取得して,実践を変革させる研究能力を獲得する~

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