富山大学 医学部 学部案内2026
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医師を目指す皆さんへ大学生活,そしてその後のキャリア竹村 京子(2009 年 卒業)大井 祐太朗(2016 年 卒業)現在は地域医療や後進の育成に努めながら,産婦人科医としても患者さんをサポートしています。私自身のキャリア形成もまだまだこれからです。ぜひ,富山大学で素晴らしい仲間に出会い,たくさんの経験を積み重ねてください。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。富山大学附属病院地域医療総合支援学講座客員助教こんにちは。私は富山県立高岡高校を卒業し,2003年に富山医科薬科大学(現富山大学)医学部医学科に入学しました。子供たちが元気に育つサポートをしたいと思い,医師を目指しました。いわゆる勉強は苦手でしたが,良き友人,先輩に恵まれ無事卒業することができました。試験前に友達とチュートリアル室にお菓子を持ち込み,籠って勉強したことは,振り返れば楽しい思い出として残っています。卒業後は,信頼する先輩が勤務する病院で2年間の臨床研修を行いました。そこでも,支えてくれる仲間と出会い,多くの学びを得ました。医学部入学当初は小児科医を目指していたものの,様々な診療科で臨床実習や臨床研修を重ねるうちに,自分の手でその場で病巣を取り除くことのできる手術の魅力に取りつかれました。現在は産婦人科医となり,婦人科腫瘍を専攻しています。手術の技術を高め,薬物療法や放射線治療の知識を蓄え,少しでも患者さんが元気に過ごせる日が長くなるよう診療を行っています。小児科医になりたいと思ったときに,患者さんに寄り添いサポートしたいと考えていましたが,それは産婦人科医であっても変わらず念頭に置いています。医師になってからも多くの困難や不安に直面することがありますが,出会った仲間の存在が大きな支えとなっています。これまで臨床一筋でスキルアップしてきましたが,私の医師人生は転換期を迎えます。医師10年目で富山県の寄附講座である「地域医療総合支援学講座」に配属されました。富山県における医療提供体制の充足を目的とした講座であり,私はその中でも特に,将来富山県の医療を支える学生のキャリア形成支援を担当することになりました。当初は,学生の皆さんが将来地域で活躍できるように先輩医師の講演やハンズオンセミナーなどを行ってきました。しかし,実際に地域で活躍する医師になることができたのか,皆にとってよいことをしているのか疑問が残りました。私自身も富山で育った医師であり,学生の皆さんには思い入れがあります。しかし,気持ちだけでは最適な支援に結びつくとは限りません。私は教育について学び研究する必要性に気づき,医師14年目半ばで大学院に入学し医学教育学を専攻することにしました。今から大学院!?と言われますが,「四十(六十)の手習い」と思い頑張っています。臨床では患者数や生存期間など数を扱う量的研究が大半を占めますが,大学院入学をきっかけに,インタビューなどの主観的データをもとに心理的傾向や文化など数字で表すことができないデータを分析する質的研究という方法に出会うことができました。学生の皆さんが自ら富山の医療を支えるために頑張りたいと思えるキャリア形成支援を行うために,ぜひ学ぶべき研究手法だと思っています。で富山県立魚津高校卒業後,2010年に富山大学へ入学しました。入学当初は初めての一人暮らしや交通の便の不安もありましたが,先輩や同学年に車で送迎してもらい,その後自動車免許をしたことで特に不自由なく生活ができました。入学後は学業ばかりではなく,部活に明け暮れたり,学祭に一生懸命になったり,時にはホタルイカを取りに深夜に海に行ったりと富山ならではの大学生活の楽しみ方がありました。また志を同じくした方が多いので気づけば友人や部活仲間等との交流が増え,今現在でも交流しやすい(病院で相談しやすい)環境となっています。卒業後はそのまま富山県内の病院で研修を行い,様々な診療科を経験した上で,手術治療を行うことができ,老若男女問わず最初から最後まで自分たち診療科の疾患を診療できる可能性の高い耳鼻咽喉科頭頸部外科医となりました。これまでは手術,化学療法,放射線療法など臨床診療,癌治療に必要な知識,技術を身に付け,少しでも患者さんによりよい治療を提供するよう努めてきました。2023年秋に大学院に行ってみないかと声をかけていただき,主に基礎研究を行う研究室で大学院生として研究活動を開始しています。研究テーマとしては我々診療科とも関係が深い癌細胞にかかわる研究を行うこととなりました。まだ研究生活が始まって間もないですが,臨床のみでは経験することのなかった視点で物事を考えること,また目的を達成するためにアセスメントを行った上,思うような結果が得られなかった場合にしっかりとフィードバックし次に活かすためのマネジメントを行うことの大切さなどを学ぶことができており,今後の医師人生でも必要となる考え方,視野の広がりを会得できることをすでに確信しています。富山での大学生活や大学院への進学についてわからないことは多いと思いますが,周囲には必ず相談に乗ってくれる上司,仲間ができると思います。まずはその下地となる学生生活を十分に楽しみ,大学院への進学を考えている方は今後のキャリア形成,医師人生,診療への深みにつながることは間違いないと思いますのでぜひ検討ください。今後皆様と一緒に働くことを楽しみにしています。富山大学附属病院耳鼻咽喉科頭頸部外科 医員富山大学大学院総合医薬学研究科博士課程在学中こんにちは。私は富山県出身32医 学 科先輩からのメッセージ

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