医学部50周年
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医学部40周年記念誌では、2007年から2016年までの10年の眼科学講座の歩みを記させていただきましたので、50周年記念誌では、2016年から現在2024年までの期間について書かせていただきます。眼科学講座は、第3代教授である林篤志が、2007年に着任し、17年が経過しています。この間、着任前に停滞していた眼科の臨床、研究、教育を発展させるべく、尽力してきました。2016年以降は大学院生の育成にも力を入れてきました。ここでは、教育と研究について書かせていただきます。教育では、まず、眼科の医局員が大幅に増加しました。2016年に阿部慎也、畑恵里の2名が入局し、2017年に高田雄太、新田康人の2名、2018年に山﨑仁史、濵田瑞綺の2名、2019年に片山法子、福島正樹、永井騰是也、沼田彩花、本多祐樹の5名、2021年に谷口綾の1名、2022年に赤井亮太、大滝亮の2名、2023年に髙橋翔吾、神出崚、高峯万緒の3名が入局しました。2016年以降で入局17名、うち女性6名です。各自の事情により富山から離れ、大学院に進学した者や、他大学の眼科に異動した者もおりますが、これだけ若い医師が入ると、医局も大きくなり、また活気に溢れています。当科の教育方針は、若い医師たちの高いモチベーションを活かして、臨床、研究、教育に貢献する臨床研究医を育成することです。できるだけ自由に専門分野を選択してもらっています。また、この10年以上、月1-2回、豚眼を用いたウエットラボを継続して実施しており、研修医や若手医師だけでなく、学生も参加しながらマイクロ手術の楽しさを教える場となっています。研究活動でその基礎となるのは、大学院生による研究です。大学院博士課程では、2017年に宮腰晃央が修了し、2018年には尾崎弘典、2021年には三原美晴、コンソルボ上田朋子、2022年に中村友子、石田聖朗、2024年に新田康人が修了しました。また、視能訓練士の掛上 謙は、2020年に大学院修士課程を修了しました。このうち、宮腰君は臨床分子病態検査学の大学院で、尾崎君は分子神経科学で、三原君は統合神経科学で、中村君は免疫学で、新田君は分子医科薬理学で、それぞれ大変お世話になり、基礎研究の指導をしっかり受けて、臨床研究医としての力をつけることができました。また、石田君は京都大学の大学院に進学し、神戸の理化学研究所でiPS細胞の基礎研究を4年間行った後、iPS細胞の研究を富山大学で継続しています。そして、現在、大塚光哉、阿部慎也、福島正樹、山﨑仁史、赤井亮太、谷口綾が大学院生としてそれぞれ研究を行っています。阿部君は大阪大学たんぱく質研究所・分子発生学の古川貴久教授のもとで基礎研究を頑張っています。2016年以降の当科の研究業績では、著書50編、原著113編、症例報告14編、総説等8編の計185編の論文報告を行い、学会発表等は469件でした。さらに、2018年に柚木達也がハイパーサーミア学会研究奨励賞を、2019年に林由美子が医学教育等関係業務功労者表彰を、2020年に掛上謙が日本斜視弱視学会 国際学会若手支援プログラム賞を、三原美晴が日本斜視弱視学会 弓削賞を、2023年に中村友子が日本炎症学会 学術奨励賞を、2024年に宮腰晃央が角膜カンファランス 真鍋賞をそれぞれ受賞しました。医局員も積極的に発表や論文等を書いています。今後とも臨床研究医の育成を行っていきたいと思っています。研究は、できるだけ基礎の講座と連携して行うほうが良いと考えており、多くの医師を基礎医学講座の大学院で勉強させてもらっています。今後の研究は、連携がキーワードになると考えています。医学部内、また学外としっかり連携して、臨床に役立つ良い研究を行っていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。(林 篤志)86 眼科学講座

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