沿革教育研究活動社会貢献と「性」に関する仲間教育:長期プログラムの開発および効果の検証」「不育症女性の妊娠期におけるWell-beingを目指す看護介入の開発と検証」「不育症女性のくり返す喪失による悲嘆からの回復を促す看護介入プログラムの開発と検証」「出産後心的外傷ストレス発症のリスクアセスメントツールの開発と実用性の検証」である。学会活動として、演題発表以外にも、理事(日本母性看護学会)、代議員(日本母性衛生学会、日本性感染症学会)、編集委員、査読委員などの責務を担っている。 社会貢献として、富山県済生会高岡病院、富山大学附属病院等の看護研究指導、高度看護専門教育講座や富山県保健師・助産師職能集会、日本看護協会(富山支部)、富山県助産師会における講演などで講師を務めている。また、笹野准教授、齊藤助教がピアカウンセラー養成認定資格を取得し、これまで約190名の大学生思春期ピアカウンセラーを養成している。養成した学生とともに、県内の高等学校や専門学校でピアエデュケーション活動を展開し、近年は産婦人科医と協働で駅ナカ保健室を開催している。(二川香里、長谷川ともみ) 母性看護学は、人間発達学を基盤とし、医学、人文・社会学、心理学、教育学等の学際的な視点をもち、母子・家族の健康に関するWell-beingを研究する領域である。 人事として、1995年2月就任の初代塚田トキヱ教授、2000年8月就任の永山くに子教授が退官後、2013年4月より長谷川ともみ教授が就任した。2019年3月には、当講座で活躍した松井弘美准教授が富山県立大学看護学部母性看護学教授として転出した。2025年1月現在のスタッフは、教授、准教授:笹野京子、二川香里、助教:齊藤佳余子である。 学部教育として、2年次に母性看護総論、母性看護論、母性臨床医学、3年次から助産概論、助産学ゼミナール、助産診断学、助産技術論、4年次には母性看護学実習、助産学実習、総合実習、助産管理、看護研究を開講し、統合カリキュラムによる看護師・保健師・助産師の教育を行っている。助産師の養成は1学年6名程度であり、2003年助産コース専攻開設以来139名の助産師を輩出している。 大学院教育として、博士前期課程研究者コースでは6科目、博士後期課程では4科目を担当している。これまで29名の修士、1名の博士を輩出している。博士前期課程では2013年より母性看護専門看護師(CNS)コースも開設しており、2018年には38単位に移行し、研究者コースに加えて9科目を担当している。これまで5名のCNSコース修了生を輩出し、2名が母性看護専門看護師を取得している。 最近10年(2014年~2023年)の発表論文数は46編、うち英論文が4編であり、学会発表は54件、うち国際学会発表は6件である。獲得した科学研究費は6件(代表者のみ)である。科研費による主な研究テーマは、「セクシュアル・ヘルスと安全な育児のためのHSV無症候性排泄の解明と予防対策の作成」「セクシャリティに関するスティグマからの回復プロセス支援」「高校生への「生」101第2章 医学部・附属病院 母性看護学講座
元のページ ../index.html#115