Clerkships(LICs)の日本版であり、1学年20人の規模で実施できているのは日本で富山大学のみです。まさに地域医療人材養成の先頭を走っていると言えます。さらには2024年からは医学科の必修臨床実習に多職種連携実習を導入いたしました。これからの医学教育は医師・医学生だけではなく、様々な医療専門職と連携して進めていく必要があります。その意味で富山大学杉谷キャンパスは医学、看護学、薬学の学生が集まっていますのでその利を十二分に生かしていく必要があります。その一環としてこれも全国で必修実習として多職種連携を学ぶカリキュラムは類を見ない試みです。このように先駆的かつ世界標準の医療人養成に取り組んでいきたいと思っています。将来的には現在の医学生・医師だけではなく、総合的に医療人を養成する組織にしていきたいと考えており、50周年を迎え、次の富山大学医学部の50年に貢献できる組織にしていきたいと考えています。(高村昭輝)109第2章 医学部・附属病院医師キャリアパス創造センターは卒前から初期臨床研修、そして、専門研修へのキャリアの中で地域医療を担う人材育成及び地域医療の向上を図ることを目的として平成28年に設立されました。組織図的には医師キャリアパス創造センター内に卒前医学教育部門、初期臨床研修部門として卒後初期臨床研修センター、専門医養成支援部門として専門医養成支援センターが設置されており、卒前から卒後までシームレスなキャリア支援を目的としています。医師のキャリアパスは時代の変遷を経て、多彩な様相を呈しています。卒業までに休学して留学する者、初期臨床研修として大学附属病院や市中病院を選択する者、専門研修として各専門領域だけではなく、行政に進む者、その後に臨床留学、研究留学、大学院留学する者、また、国際協力分野進む者など多岐にわたっています。そういう無限の可能性を秘めた医学生の将来について学生の進路選択に制限ができないようカリキュラムの観点から様々な試みを行っています。特に最近では2023年問題と言われるアメリカでの臨床研修がWFME(世界医学教育連盟)に認可された医学部を卒業したものでないと参画できないというアナウンスがされました。富山大学でも国際標準に合わせたカリキュラム改変を行い、2022年に2度目の更新のためのJACME(日本医学教育評価機構)認証評価を受審し、富山大学のカリキュラムは国際的にも認められています。また、2022年からは医学科の選択実習に長期滞在型地域プライマリ・ケア実習を導入しました。世界的に地域基盤型医学教育の世界でその教育効果が認められているLongitudinalIntegrated 医師キャリアパス創造センター
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