医学部50周年
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臨床グループの活動器の難病の診療に取り組み、外来患者のべ2500名、入院患者のべ200名、心臓カテーテル検査として年間150例、心臓カテーテル治療として年間50例行ってきている。また、胎児心エコー専門施設、成人先天性心疾患学会専門医総合施設として、北陸の基幹施設と連携を図りながら胎児から成人まで包括的な医療を提供してきた。神経グループてんかんや神経発達症(発達障害)を中心に、多岐にわたる神経疾患の診療に携わっている。県内では数少ない「ビデオ同時脳波検査」を用いた発作性疾患の診断・治療方針決定や、神経発達症児における発達検査を含めた評価・発達支援を行っている。当施設は小児神経専門医研修認定施設となっており、若手医師の育成にも努めている。内分泌グループ成長障害・思春期発来異常・代謝異常疾患の診療を中心に行っている.最近ではAdvancedHybridClosedLoopシステムを用いた最新の糖尿病診療機器の導入や,対象疾患が拡大された新生児マススクリーニング対象疾患の診療を積極的に行っている.腎・膠原病グループ2023年度に膠原病外来、2024年度に腎外来を新たに開設した。腎疾患や膠原病はその多くが慢性に経過するため、スムーズなトランジションを目指し、早期より関係各科と連携して診療にあたっている。また、慢性疾患をもつ児が病気と上手につきあい日常生活を送ることができるように配慮している。当教室は、開学以来、初代教授岡田敏夫先生のもと、臨床における各専門分野を立ち上げ、1例1例を丁寧に診療することを伝統としてきた。1995年に宮脇利男先生が二代目教授として就任し、先天性免疫不全症の臨床ならびに基礎研究を中心に大きく飛躍してきた。2013年には、足立雄一が三代目教授となり、アレルギー疾患の疫学研究分野にも領域を広げ、2023年秋には4代目教授として今井千速先生が就任し、臨床・研究・教育におけるさらなる発展に向けて新たな富山大学小児科の道を歩みだしている。この間、入局者も徐々に増え、現在は大学学内に医局員が30人近く所属する大所帯となっている。関連病院にも多くの医局員を配置し、富山県の小児医療を守る中心的な存在となっている。多くの先人らが培ってきたマインド、スキルは着実に次世代へ継承され、富山のこどもたちを守るための組織が出来てきている。血液・免疫グループ小児がん地域連携病院として富山県全域を集約化し、新生児からAYA世代に至る幅広い年齢層の集学的治療を行っている。多施設共同臨床試験、造血細胞移植、がんゲノム医療、緩和医療などの臨床と、日本小児血液・がん学会認定の研修施設として医師教育も担っている。多職種と連携し、患者・家族のトータルケアを目指している。アレルギー・呼吸器グループ気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーといったアレルギー疾患の重症例や近年増加中である食物蛋白誘発性胃腸症の診療を中心に行っている。環境因子や本人の体質などを“TotalAllergist”として俯瞰的に考え、様々な角度から検査や治療、指導を検討し、ベストだと考えられるプランを提示して、少しでも子どもたちの生活の質(QOL)が改善されるよう努めている。救急・集中治療グループ小児脳死下臓器提供に関する多くの課題について、全国の医師らと議論を続け、ガイドライン改訂などに関わるとともにこどもの命のあり方について、終末期医療、グリーフケアなど多岐にわたって研究を進めている。また、県内のChildDeathReviewにおいて、大学としての役割を追及し、新たなモデル提案に向けて取り組んでいる。循環器グループ北陸の小児循環器の基幹施設として、小児循環(種市尋宙、今井千速)116 小児科

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