基本方針外来診療病棟診療主要人事(平成28年以降)令和6年3月 鈴木道雄先生 最終病棟回診当科では精神疾患を幅広く対象とし、難治例や身体合併症例を含む多様な患者に対して先進的な治療を提供している。特に精神医学における重要疾患のひとつである統合失調症の病態解明、早期診断・早期治療に力を入れ取り組んでいる。地域精神医療への貢献を重視し、また救急への対応は医療の出発点であるとの考えから、富山県精神科救急制度の輪番病院としての役割を担っている。診療においては、医師間およびコメディカルとのチ-ム医療を重視し、また関連病院との連携を緊密に保つようにしている。初診、一般再診のほかに各種専門外来を開設し、様々な精神疾患に対応している。統合失調症などの発症リスクが高い症例を対象とした「こころのリスク外来」、認知症が疑われる患者に詳しい検査および心理社会的治療・薬物療法などを行う「ものわすれ外来」、他科入院中の患者の精神医学的問題に対応する「リエゾン外来」、睡眠障害の精査加療を行う「睡眠外来」、および性同一性障害(性別不合)の診断および精神的支援を行う「ジェンダー外来」があり、専門的かつ特徴的な医療を行っている。医師、看護師、精神保健福祉士で構成されたリエゾンチームを持ち、また院内の緩和ケアチームにも参加している。令和6年5月からは脳神経内科および放射線科と合同でアルツハイマー病の進行抑制を目的とした抗アミロイドβ抗体薬投与のための「レカネマブ外来」を開始した。高度な専門医療として、統合失調症患者およびその高危険状態が疑われる患者に対して、脳画像検査、神経生理学的検査、認知機能検査、臨床心理学的検査などを行い、多面的・客観的に評価し、診断や治療に役立てるとともに、社会機能の改善をめざした先進的な薬物療法を行っている。令和6年6月より初診を予約制に移行し、紹介元からの事前予約を原則としたが、緊急性のある場合には予約外初来患者への対応も行なっている。令和5年1月から12月の外来新患数は635名で、再来患者数は延べ17,289人であった。神経精神科病棟は南7階に位置する43床を有する閉鎖病棟であり、うち7室が一般個室となる。統合失調症の治療では、社会機能の改善をめざした先進的な薬物療法を行うとともに、患者や家族に対する心理教育を積極的に行い、認知行動療法、社会生活技能訓練(SST)なども取り入れている。治療抵抗性患者に対するクロザピン治療も行っている。身体合併症を有する精神疾患患者の入院加療については院内他科と連携して診療を行なっている。睡眠障害に対する専門的な検査入院が可能であり、検査件数は年々増加している。平成30年3月に電気けいれん療法(ECT)研修施設(総合病院精神医学会)、平成31年2月に一般病院連携精神医学専門医(略称:精神科リエゾン専門医)研修施設(同学会)に認定されている。また精神科急性期医師配置加算や摂食障害入院医療管理加算を算定している。令和2年からの新型コロナ禍においては感染対策を徹底し、クラスター発生はなかった。令和5年1月から12月の入院患者は235名であった。同年の病棟稼働率は70%、平均在院日数は48日であった。診療科長:鈴木道雄、髙橋 努(令和6年6月~)診療副科長:髙橋 努、樋口悠子(令和6年6月~)病棟医長:高柳陽一郎、古市厚志、笹林大樹、松下有希子、坂本和巳(令和6年4月~)外来医長:樋口悠子、松下有希子(令和6年4月~)(髙橋 努)117第2章 医学部・附属病院 神経精神科
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