医学部50周年
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教室の沿革臨床活動と実績囲を決定するための前方視的介入研究)、切除不能膵癌に対する術前放射線化学療法に関する臨床試験等のほか、消化器内科と共同で集束超音波治療器(HIFU)による切除不能膵癌に対する治験を行っている。また、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)等国内の研究グループによる全国多施設共同研究へも複数参加している。近年では韓国・ソウル大学と合同での多施設国際共同研究(PLANET-PJtrial)も行った。ロボット支援下手術も幅広く消化器外科領域は全て手がけており、プロクター取得医師も多く在籍している。またロボット術者資格を持つ医師も多く在籍しており、近年では膵臓・肝臓のロボット支援下手術などの高難度手術のみならず、全国でも施行可能な施設の少ない鼠径ヘルニアのロボット手術も取り扱っている。乳腺診療においてはかみいち総合病院を「乳がん先端治療・乳房再建サテライトセンター」とし、これまで乳腺診療が行き届いていなかった県東部でも最新の乳癌治療を行うことができるようになった。また、形成外科と合同で行う同時自家組織再建の手術件数は北陸トップであり、全国から紹介患者を受けている。(深澤美奈、藤井 努)旧富山医科薬科大学第二外科(消化器・腫瘍・総合外科)講座は、昭和52年4月に藤巻雅夫初代教授が着任し当教室が開講した。消化器癌を主として研究や臨床、スタッフの充実とともに発展していった。その後、平成9年10月に二代目教授塚田一博前教授が着任し、専門である肝胆膵外科を含めた消化器外科、乳腺・甲状腺外科、小児外科などさらなる診療・研究の充実がなされた。現在は肝胆膵外科を専門とする藤井努先生が第三代教授に就任し(平成29年4月-)、膵臓手術症例の増加を皮切りに消化器、乳腺・甲状腺、小児外科手術の症例数も飛躍的に増加している。手術・臨床に関しては、2020年以降の膵切除件数、乳癌・甲状腺手術件数ともに3年連続で100例を超えている。特に年間100例以上の膵切除を行っている施設は多くなく、大学病院としてはトップクラスである。また、手術だけでなく、化学療法を含めた集学的治療・治験・臨床試験を積極的に展開しており、当教室を中心とした全国多施設共同臨床試験(WALCUREtrial,術前補助化学療法後の膵癌手術における至適リンパ節郭清範122 第二外科

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