材料部は院内の再使用可能医療機器の洗浄・滅菌・保管・供給を行っている。手術部門に関する器材の洗浄滅菌は委託業者が一任しており、運用は委託業者と材料部、手術部が連携し行っている。病棟、外来部門の器材は材料部職員が洗浄、滅菌、配送を行っている。2024年現在の材料部スタッフは、材料部長1名、材料部副部長1名、手術部・材料部兼任師長1名、材料部副師長1名、材料部職員6名、委託業者職員12名で、医師、看護師、医療材料工手、委託会社職員で構成されている。近年資格を獲得し専門性を高めており、第一種滅菌技士1名、第二種滅菌技士4名、普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習修了者が4名在籍している。2024年には洗浄業務の中央化実現のため、光学診療部で行っていた内視鏡の洗浄を材料部職員で行うため増員を行った。ダヴィンチ手術導入に伴い、2016年にダヴィンチ鉗子用の超音波洗浄機を導入した。また2021年(大前明博、北村 寛)にはエチレンオキサイドガス滅菌を廃止し、低温ホルマリン蒸気滅菌器を2台導入した。同年プラズマ滅菌器を3台、自動洗浄機を4台更新した。2024年には高圧蒸気滅菌器3台を更新、恒温槽を導入し、年間約9000件の手術と外来・病棟の洗浄滅菌を行っている。手術件数は年々増加し、内容が多岐に渡っており、これらに対応するために、洗浄・滅菌機器を適宜更新し、洗浄・滅菌精度の向上、業務の効率化を図っている。洗浄機は始業前の洗浄テストや定期的な洗浄試験、滅菌に関しては始業前のボウィーディックテストや滅菌ごとの物理的インジケーター、生物学的インジケーター、化学的インジケーターによるバリデーションを行い、洗浄・滅菌の質保証を行っている。近年材料にかかるコスト増は材料部でも大きな問題となっている。そのため、洗浄洗剤の見直し、器材の滅菌の妥当性を検討し滅菌物を減らすなど積極的に行いコスト削減に努めている。143第2章 医学部・附属病院 材料部
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