医学部50周年
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部門の変革と現在教育・研究部門として漢方(鍼灸)の医療応用当部門は、富山医科薬科大学時代の昭和62年4月に病歴部を廃止し、院内措置として発足した医療情報部が端緒である。昭和64年1月にIBM製の第3次病院情報システム(医事会計に連動したオーダエントリーシステム)が稼働し、その後平成7年4月に中央診療施設として医療情報部が正式に設置された(林隆一教授、中川肇助教授の2名体制。他に事務官が4名)。平成16年1月の第4次更新で富士通電子カルテ(NeoChart)を導入後、部門名称が平成18年に経営企画情報部となった。同年9月に中川肇教授が着任、平成25年には辻岡和孝特命助教との2名体制となり、平成27年に名称が医療情報部となった。中川教授の尽力で、平成30年4月から部門専任の医療情報技師2名が増員配置された。辻岡特命助教(令和2年)と中川教授(令和3年)の退職後、令和3年4月に医療情報・経営戦略部に名称変更された。翌5月には髙岡裕が神戸大学医学部附属病院医療情報部の准教授から教授に、6月には神戸大学病院医療情報部の大田美香が総務担当副部長(特命助教)に着任した。そして、令和4年1月1日に現在の富士通HOPEEGMAIN-GXが稼働した。その後令和4年12月には、附属病院臨床研究開発推進センターの生物統計担当で同センターの臨床研究データ管理室長として、名古屋大学附属病院MITセンター(東海国立大学機構医療健康データ統合研究教育拠点拠点長補佐)から赴任した菅野亜紀(特命教授)が業務分析・インフラ・災害担当副部長に併任、令和6年1月には附属病院データ科学・AI研究推進センターの染谷芳明(特命助教)が災害担当部員に併任された。そして、医療情報技師の片口主任を筆頭にもう1名の専任係員(安村)、医事課医療情報担当3名(北山係長、永森、藤原)、事務補佐員(石井)、技術補佐員(三浦)、秘書の事務補佐員(老田)が業務対応している。当部の人員の多くが、何らかの情報系の有資格者なのが特徴である。その他、令和3年4月に当部門に診療情報管理室が加わり、翌年9月から診療録センター(薬剤部、看護部、リハビリテーション部、栄養部、医事課など多職種による組織)へと発展し、診療情報管理士でもある髙岡と大田がセンター長、副センター長として病院機能評価や特定共同指導に対応した業務体制への変革を進めた。さらにクリニカルパス学会認定パス指導者の髙岡を委員長にパス認定士の菅野が補佐して、本院のクリニカルパス委員会とパス活動を刷新した。他に、部門システム管理の一元化も進めている。髙岡赴任後、教育部門の大学院総合医薬学研究科先端医科学専攻(修士)と大学院医薬理工学環(修士・博士後期)に“医療AI・データ科学講座”、大学院総合医薬学研究科生命・臨床医学プログラム(博士)に“計算創薬・数理医学講座”が設置され、基礎配属や研究医養成PGの医学生と大学院生が在籍している。研究部門では、髙岡が副センター長の研究推進機構先端抗体医薬開発センター・バイオインフォマティクス部門(相澤心太特命助教が配置)と附属病院データ科学・AI研究推進センター(染谷の本務)が当部に併設され、本学の研究推進を担っている。(公財)日本漢方医学教育協議会顧問の髙岡に加えて、大田(精神保健福祉士資格も有する)、染谷、三浦の計4名が鍼灸師である。本学は鍼灸師の医学部教員の在籍数が本邦最大の大学であり、この特色を本院の漢方の伝統と併せ研究費申請を視野に、附属病院の痛みセンターにも参加し、臨床医療への応用研究も進めている。(髙岡 裕)146 医療情報・経営戦略部

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