医学部50周年
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周産母子センターとは妊婦さんと赤ちゃんを対象とした診療部門です。当院周産母子センターは、産科、新生児、新生児外科の3つ部門から成り立っています。 産科部門は、早産の予防や妊娠中に赤ちゃんの病気を見つける胎児診断に力を入れています。また、当院には臨床心理士が常勤しており、妊娠中から出産、産後と継続してお母さんの心理的な援助を行っています。新生児部門は集中管理が必要な新生児集中治療室(NICU)と退院間近の赤ちゃんが過ごす新生児後方支援病床(GCU)の二つのユニットからできています。平成23年1月より新病棟へ移転し、4月よりNICU9→12床、GCU6→10床へ増床となりました。また、新生児集中ケア認定看護師2名がスタッフに加わり、当院の新生児診療体制がさらに充実しています。その結果として、2021年にはNICUの看護師が全国233病棟で最も看護の質が高い「看護QIチャンピオン賞」を受賞し、北日本新聞にも大きく取り上げられました(写真上)。2022年にはGCUが同じく看護特別賞という全国でベスト3に入る表彰を受けました(写真下)。この看護師さんの表彰システムには全国で200以上の病棟が参加しており、周産母子センター看護師の質の高い看護レベルが改めて認められました。これは新生児認定看護師である鹿島美友紀副看護部長と田村愛NICU副師長を中心に看護師、心理士、看護助手、ドクタークラーク、医師などスタッフ一同が常に協力してより医療を提供できるように努力している結果だと思います。新生児外科部門は、病気のため何らかの手術が必要な赤ちゃんが対象となります。特に、心臓外科は芳村直樹教授を中心に良好な成果を挙げているため、富山県のみならず北陸各地から多くの赤ちゃんが紹介されてきます。また、心臓以外の手術に対しても、当院では各科に赤ちゃん専門の医師がいますので、赤ちゃんの病気はほぼ全て当院で治療することが可能となっています。われわれはBabyFirst(常に赤ちゃんを第一に考える)の気持ちを持って、これからも入院している赤ちゃんとそのご家族を中心にした医療・ケアを行っていきたいと思います。また、ご家族から信頼される医師を養成していき、北陸地区の周産期医療の拠点として頑張りたいと思います。(吉田丈俊)148 周産母子センター

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