医学部50周年
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業務内容医療の質とは、一般的に「個人および集団を対象とした医療サービスにより、健康に望ましい結果を導く可能性を高める度合いであり、かつ、それが最新の専門知識と矛盾しない程度のものとなっていること」と定義される。院内における継続的な医療の質向上を推進するために、令和元年4月に「医療の質推進室」が設置された。兼任の職員のみから構成された「医療の質推進室」による活動には限界があったため、専従の医師を配置した「医療の質推進部」を令和3年6月に設置し、医療の質向上に向けた強力な取り組みが継続的に行える体制を整備した。部長は、令和3年度は山本善裕(感染症科教授)、令和4年度からは長島 久(医療安全管理部教授)が務め、現在に至っている。また、副部長は、髙岡 裕(医療情報・経営戦略部教授)と専従の小池 勤(医療の質推進部特命准教授、専従)が務めている。主な活動内容は、クオリティマネジメント委員会の取りまとめ、医療の質ラウンドの実施、職員満足度調査の実施、説明同意書の内容確認、イン平成24年に設置された感染対策室は、平成26年10月に、病院感染の予防、対策、教育活動、および病院感染発生時に速やかに対応できる体制をより強力かつ円滑なものとするため、「富山大学附属病院感染制御部」として新設された。感染制御部は、院内感染発生時の状況把握及び発生原因の調査、感染制御の迅速な対応を講ずるため、多職種で構成されたチームで活動している。特に、令和2年以降の新型コロナウイルス感染症のパンデミックの際には、チーム一丸となって院内にとどまらず地域においても感染防止対策に取り組んできた。また、近年、多剤耐性緑膿菌やカルバペネム耐性腸内細菌科目細菌など新たな耐性菌の出現による難治性症例の増加が世界的に問題となっており、抗菌薬適正使用チームが、院内・地域を対象に活動している。感染防止対策1.病院を場として起こる感染(以下「病院 感染」という)に関する情報の収集、調査、分析及び評価2.病院感染発生時の対応3.感染予防対策実施の監視と評価フォームドコンセント記録のテンプレート使用状況の確認・報告、診療録記載マニュアル・略語集の改訂、病院機能評価指標の測定・公表への関わり、診療録質的監査への関わりなど、多岐に及んでいる。令和6年1月に受審した病院機能評価では、準備から審査まで受審にかかる活動全般に関与している。今後は、職員が医療の質の改善活動を自主的に立案、実行するクオリティコントロール活動を開始して、患者満足度の向上や職員の働きやすい環境作りを推進する予定ある。医療は日々進化し、医療を取り巻く環境も絶えず変化している。我々医療従事者は、患者が理想とする病院を目指して、自分たちが提供している医療を常に見直し、医療の質を向上していくことが必要となる。医療の質推進部には、今後も病院の更なる医療の質改善活動の中心となり、病院体制の一層の充実や医療の質の向上に寄与する役割を担う機会が増えることが予想される。4.感染対策教育の立案と実践5.病院感染対策マニュアルの作成・改訂6.ファシリティーマネジメントの推進7.病院感染に関する相談8.職業感染対策に関すること9.地域の他施設との連携に関すること10.その他感染予防対策抗菌薬適正使用支援1.血液培養陽性患者におけるカンファレンス2.特定抗菌薬の届出および適正使用の確認3.抗菌薬使用におけるカンファレンス4.感染治療におけるコンサルテーション令和6年度感染制御部スタッフ感染制御部長:山本 善裕副部長   :長岡健太郎医師    :川筋 仁史・村井 佑至       兼田磨煕杜・竹腰 雄祐       江嵜 真佳・石田 羽海       藤谷 知樹・安河 内励       川口 アエ看護師(ICN):青木 雅子・笹原志央里薬剤師   :加藤 典子・九良賀野司臨床検査技師:関口 敬文・杉江 和成事務    :三上 仁司(小池 勤、長島 久)(山本善裕)161第2章 医学部・附属病院 医療の質推進部 感染制御部

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