医療機器管理センターは、本院における各診療科等の共用可能な医療機器を中央管理し、円滑な業務運営を目的として平成14年2月に設置されました。設立当初は高気圧酸素治療装置、人工呼吸器、AEDの運用からスタートし、次第に輸液ポンプ、シリンジポンプ、除細動器、生体情報監視装置、超音波診断装置、吸引器など、対象機器を拡大しました。平成18年9月からは、院内全医療機器の管理を行う体制に移行しました。初代センター長には麻酔科の山崎光章教授が就任し、当初は臨床工学技士4名と共に運営を開始しました。平成26年2月には脳神経外科の黒田敏教授が2代目センター長に就任し、平成31年4月からは泌尿器科の北村寛教授が3代目センター長として、センターを牽引しています。初代臨床工学技士長には高道昭一が就任し、平成27年4月からは森田猛が2代目、平成31年4月からは佐藤邦昭が3代目としてそれぞれの役割を果たし、令和6年現在、臨床工学技士27名の体制となっています。平成19年からは医療法改正に伴い、センター長を医療機器安全管理責任者に、臨床工学技士長を医療機器安全管理副責任者に任命し、各部署にはセーフティマネージャを配置して、安全管理体制を強化しました。また、平成21年には人工呼吸器支援チーム(RST)が発足し、平成22年からは院内巡回を実施しました。令和4年12月には、医療機器点検業務の一部を外部委託スタッフに移管し、効率化を図りました。令和5年4月からは集中治療室業務の拡充と宿日直体制を導入し、臨床工学技士が常時院内に勤務する体制を整えました。医療機器管理センターの主な業務には、医療機器の安全管理、生命維持管理装置の操作・管理・保守、臨床工学技術の提供、保守点検・管理、職員への支援・助言が含まれます。具体的には、人工心肺業務や血液透析業務を含む広範な医療機器の取り扱いを行っています。臨床工学技士は、医療機器の専門医療職として、病院内で医師や看護師、その他の医療技術者と協力しながら、生命維持装置の操作を担当しています。また、機器が常に安心して使用できるよう、定期的な保守・点検を実施し、安全性と有効性の維持に努めています。センターでは、人工呼吸器、ECMO、人工心肺装置、補助人工心臓、心臓植込みデバイス、血液浄化装置などの生命維持管理装置から、内視鏡装置、麻酔システム、生体情報システム、電気メス、手術支援ロボット、術中神経刺激モニタリング装置、心臓カテーテル検査・治療関連機器、高気圧酸素治療装置に至るまで、幅広い機器の管理・保守・支援を行っています。点検には専用の点検装置や漏れ電流計を使用し、平成27年9月からは「医療機器安全管理システム」を導入して、保守・点検、貸出・返却などの管理を徹底しています。これらの取り組みにより、医療機器のさらなる有効活用と信頼性の高い機器、臨床技術の提供を通じて、より安全で効率的な診療体制の構築に取り組んでいます。今後も継続的な改善と革新を図りながら、患者様に対して安心・安全な医療を提供するため、努めてまいります。(佐藤邦昭、北村 寛)162 医療機器管理センター
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