医学部50周年
179/268

①専門研修体制の整備②専門研修プログラムの特徴や魅力の発信【スタッフ】2024年度(峯村正実)本邦では統一基準のない学会認定の専門医制度が乱立していたが、日本専門医機構による新専門医制度が2018年度よりスタートし、19の基本専門領域が定められ、専門医制度は大きく変わった。富山大学附属病院では新専門医制度にスムースに対応し、多くの質の高い専門医を養成するために、2017年度に専門医養成支援センターが刷新され、診療科と協力して専攻医(専門研修する医師)の確保と専門研修の充実に努力してきた。スタート時は17領域の専門研修プログラムの基幹施設であったが、リハビリテーション科に服部憲明教授、形成再建外科・美容外科に佐武利彦教授が着任され、2022年度より全基本領域の専門医が養成できる体制となっている。専門医養成支援センターの役割として、①専門研修体制の整備、②各専門研修の特徴や魅力の発信による専攻医確保のサポートを実施している。各専門研修プログラムの基本情報を一元的に管理し、専門医養成支援センターのホームページ(以下HP)上で分かり易く提示している。特に2022年度からは各専門研修における卒後12年目までの「医師キャリア形成プログラム」を図式化し、研修できる連携施設や専門医の取得時期、サブスペシャルティ専門医や学位の取得などについても明示している。各専門研修プログラムへの応募は専攻医が日本専門医機構のWebサイトを利用するが、プログラム統括責任者の連絡先や登録の手順を分かり易く提示して、専攻医登録をサポートしている。また、診療科の協力を得て、各専攻医の専門研修の進捗状況や専門医の取得状況を把握して一元管理し、毎年開催する専門医養成支援センター委員会および専門研修プログラム連絡協議会で報告して、富山大学附属病院の専門研修の質の担保に寄与している。研修医ならびに医学生を対象に「専門研修プログラム説明会」を2017年から開催してきた。また、「富山大学附属病院専門研修プログラム概要」(冊子体)を毎年最新版にバージョンアップし、富山大学を卒業した県内外の研修医と医学部5~6年生全員に配布して専門研修の魅力を伝えている。2022年度からは富山大学附属病院独自の「病院見学支援金」制度を創設し、専門研修に興味のある県外の医学生・研修医の見学を促進してきた。一方、富山県が主催する「富山県専門研修プログラム合同説明会」にも企画から積極的に協力して、富山県全体の専攻医の増加にも尽力している。前述したように専門医養成支援センターのHPでは「医師キャリア形成プログラム」の見える化を実施し、診療科へのリンクを充実させ、診療科の魅力が伝わるように努力している。また、若手医師(専攻医)からのメッセージコーナーを設け、その専門診療科を選択した理由や実際の研修状況について文書や動画にて情報を発信している。2021年度からは、副センター長の岡澤成祐先生が中心となり、臨床研修部のSNS(Facebook、X:旧Twitter、Instagram)を運用し、若手医師からのメッセージや医局説明会・関連イベントの案内など積極的に配信している。SNSのフォロワー数は順調に伸びており、専攻医の増加に繋がるように日々工夫している。富山県全体の専攻医数は2018年度~2024年度の7年間の平均は50.3人、その内富山大学は41.9人(83%)であるが、人口10万対専攻医数では全国41位であり、専攻医の確保が大きな課題である。専門医養成支援センターの機能を強化して、各診療科と協力して専攻医の確保と専門医の養成に注力しているところである。センター長  峯村 正実 副センター長 岡澤 成祐、田村賢太郎       秋岡 直樹、山﨑 秀憲       名倉 里織、齊藤 隆晴事務スタッフ 長元 良介、清水 若奈165第2章 医学部・附属病院 専門医養成支援センター

元のページ  ../index.html#179

このブックを見る