2024年度看護師特定行為研修入講式看護師特定行為研修は、看護師が医師の包括的指示の下で特定の医療行為を行うための研修制度である。この制度は、看護師が特定の医療行為を安全かつ効果的に実施できるようにすることを目的として、我が国では2015年10月から開始された。その後、医師の働き方改革の一環として、医師の業務を他職種に移行する「タスクシフト」が進められ、全国的に広く導入されることとなった。富山大学付属病院では2019年10月より看護師特定行為研修センターが設立され、4区分12行為の研修が開始された。2024年度は6期目を迎えており、15区分30行為の研修が行われ、当院のみならず他院の看護師も当センターで特定行為研修が受けられるようになっている。2024年7月現在、富山大学附属病院で27名の特定看護師が勤務しているほか、当院で特定行為研修を受けた看護師たちが富山県、石川県の施設でそれぞれ特定看護師として勤務している。当初は働き方改革に対応し、医師の労働時間短縮や業務負担の軽減を目的として特定行為研修が開始されたという経緯はあるが、研修を修了した看護師たちは、特定の医療行為を行うことができるというだけではなく、研修を行う過程において、「より科学的な視点をもった看護師」として成長し、医療チームの一員としての役割がさらに拡大している。今後、特定行為研修を修了した看護師が増えることにより、医療チーム全体の機能が向上し、患者さんへのケアがより迅速かつ適切に提供されるようになることが期待される。(芳村直樹)169第2章 医学部・附属病院 看護師特定行為研修センター
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