医学部50周年
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富山大学医学部同窓会 会長   足立 雄一中部高校の木造の旧校舎で産声をあげ、医学科では1982年に、そして看護学科では1997年にそれぞれの一期生が卒業して以来、今まですでに6000名を超える卒業生を輩出しています。開学当初は地方の新設医大としてあまり名前も知られておらず、その頃の卒業生はいろいろ苦労したと聞いています。その後、多くの卒業生が富山や北陸さらには日本全国や海外において、学生時代に杉谷キャンパスで学んだり経験したことを糧に各分野で活躍され、今では富山大学医学部の名前は全国そして国際的に広く知られるようになりました。創立50周年にあたって「もはや新設医大ではない」と明言できるほどに成長したと思います。今後も、建学の理念である「里仁為美」に沿って「さすが富山大学出身」と言われるような優秀な人材の輩出をお願いしたいと思います。医学部同窓会の会員数は今では4500名余りとなり、富山医科薬科大学としての開学当初より「会員相互の親睦を図り、母校の発展並びに医学の進歩に寄与すること」を目的として種々の活動を行なっています。その一環として、キャンパス祭、謝恩会、学生と教員との定期交流会、病院コンサートなどキャンパスや病院内のいろいろなイベントへの支援を定期的に行うとともに、高額の援助としては2014年に完成した研究棟「医薬イノベーションセンター」の建設用資金の相当な分を寄贈しました。この50周年記念事業でも、医学部が進めている「シミュレーションセンター整備」に対して同窓会として会員への募金活動を行うとともに、今回もまとまった額を寄贈する予定です。医学部同窓会はこれからも本学医学部をしっかりサポートしていきます。我々同窓生がさらに誇れる大学に発展されることを祈念して、同窓会からのお祝いの言葉に代えさせていただきます。医学部創立50周年、おめでとうございます。同窓会会員を代表して心からお祝い申し上げます。我が医学部は1975年に富山医科薬科大学医学部としてスタートしました。当時は政府が打ち出した「一県一医大構想」によって新設医学部が各地に続々と誕生しましたが、その多くは単科の医科大学か既存の国立大学内での新設という形をとっていました。しかし、富山では江戸時代から連綿と続く伝統ある薬業につながる薬学と医学の融合を目指すという独自の理念のもと、富山大学から薬学部を移管して富山医科薬科大学という当時としては画期的な大学としてその一歩を踏み出しました。また、当時の富山大学薬学部は和漢薬研究所を中心に和漢薬に関する先進的な研究を行っていましたので、「東西医学の融合」を目指して和漢薬研究所も移管し、さらに当時の国立大学病院としては珍しい和漢診療室が附属病院開院と共に開設され、学部では開学当初より和漢薬や和漢診療に関する講義が組み込まれていました。このような独自の理念に基づいて大学の基礎を築いた当時の文部省や富山県の関係者の皆様、開学に向けて全国から富山に集った当時の教職員の皆様には、並々ならぬご苦労があったことと拝察します。その後、1993年には北陸初の看護系4年制学科である看護学科が医学部に新設され、杉谷キャンパスは医療人育成ならびに医薬学研究の拠点としてさらに充実していきました。そして、2005年に3大学が統合されて現在の富山大学という大きな組織の中に組み込まれました。「富山医薬大」という長年親しんできた通称が使えなくなくなって残念に思っている同窓生も多くいると思いますが、昨今の医療や医学研究には理工系や人文系との融合が不可欠となってきた状況を考えれば、この統合によって医学部がさらに大きく飛躍できるものと期待しています。さて、富山大学医学部は1976年4月に県立富山188富山大学医学部創立50周年にあたり

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