医学部創立50周年記念式典時間は制限されていますので、これを両立するということは極めて困難な状況にあります。どう解決するのか。正解は一つだけです。富山に残る医師を増やさなければいけません。幸い、来年度の初期研修医の応募者が富山県で89名、多くの方が応募して採択されました。これから、今日ご出席の県内の病院の先生方にもお願いしたいと思っておりますが、本学も協力させていただき、富山県で、良い臨床研修教育をしていただき、富山に絶対に残りたいという想いで、89名全員が富山に残るようにしていただかなければ、働き方改革に対応していきながら地域医療を守ることはできません。ですから、是非皆様方にお願いしたいのは、一致団結して、富山のために医療人を増やしていただくことを強くお願いしたいと思います。2番目は研究時間の確保と研究の質の向上です。今月、医学系大学の学長会議である医学系出身国立大学長懇談会が秋田でありますが、最初に取り上げられるテーマは、働き方改革により、研究時間が削減された中でいかに研究成果を上げていくか。これもまた大きな課題になっています。ただし、私自身は日本の研究が大きく変わる1つのきっかけになるのではないかと思っています。欧米に行きますと、ほとんどの研究者は技術系職員にいろいろ仕事を頼んで、出来上がったデータを見てディスカッションを行う。それから、海外の方とWeb会議をして、国際共同研究を行う。教授が研究の主体です。日本はいまだに家内工業で、試験管を振っている教授が結構います。技術系職員は、運営交付金が減らされたときに、全部カットされてしまった。これでは日本の研究力が落ちるのは当たり前です。これを契機に改革するのであれば、技術系職員の総合力、URAの企業に繋ぐような方、研究者で分業していただいて、それから学部の壁を越えた、日本だけでなく海外と連携する、そのような形で研究をしていただく一つの節目になるのではないかと思います。今後の富山大学が発展するかどうかはそのあたりにかかっていると思いますので、どうか皆様よろしくお願い致します。7
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