3番目は本学の特色を出すことが大事だと思います。何も特色がなかったら、これから少子化が進んでいく中で、富山大学の医学部を選択してもらえません。ここに来ると良い教育をしてもらえる、それから特色のある分野を学ぶことができるということが、あろうかと思います。本学の建学のときには東西医学の融合という形で、和漢と西洋医学の融合ということが掲げられていましたが、50年経っていかがでしょうか。私自身は不十分だと思っています。最も課題なのは臨床研究の欠如です。研究者が基礎研究に固まってしまったおかげで、基礎の研究から臨床研究につないで社会実装していくところが不十分だと思っています。北島理事と相談し、基礎研究から臨床研究につなぐ、一気通貫できるようなシステムを今構築中です。ですから、今後はいろいろな形で皆様方の基礎研究が臨床に生かされ、社会実装していくよう、進めていきたいと思っています。また、昨年中国で習近平氏より中国伝統医学と西洋医学を融合しなさいと号令がでました。中国は今、昔富山大学がやった東西医学の融合を国家レベルで進めようとしています。ある意味恐ろしいと思っています。今のところその分野では日本はトップですが、あっという間に追い越される、もしくは独自のルールを作られてしまう、もしくは今の和漢医学の原料の9割が中国からの輸入で、それがストップしてしまったりすると、日本は和漢診療ができなくなってしまう。そういうこともありますので国際協調をとりながら、ASEAN諸国と連合して、中国と連携する形で東西医学の連携を進めていきたいと思っています。逆に言うと今、私は追い風が吹いていると思うのです。中国が動き出したということは世界が動き出します。だから、この富山大学の特色は十分生かされますし、グローバルの研究でも生かされると思うので、今後に期待したいと思っています。4番目はグローバル化の促進です。皆様ご存じないかもしれないですが、国立大学協会の努力目標が、2040年には大学に在学する学生の30%を留学生とすることです。グローバル化をどんどん進めていく必要があります。日本8
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