医学部50周年
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8.終わりに 富山大学とともに 地域医療を守るナスの改定が続いております(図4)。特に最近では物価の上昇率は非常に高く、加えて人手不足が医療機関を圧迫しております。高齢化に人口減少、少子化、そして医療の進歩により高額薬剤や高額機器も増えており、医療を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。ここで医療費、診療報酬の実質的な大幅削減がございます。しかしどれほど厳しい状況であっても、医療は進歩し、県民の皆さんに、できるだけ進歩した医療を届ける必要がございます。私たちとしましてはそれぞれの立場や場所で、大学病院でも一般病院でも診療所であっても、地域に貢献できるように精一杯の努力と、患者さんの体と心を思いやり地域の実情にも思いを馳せ、先生方のご協力を得ながら研鑽を積み、医療と医学の進歩に、その発展に努力したいと思っております。また、今年1月のような災害、困難に直面し困窮している方々にも心を寄せたいと思っております。今後こういった厳しい中で生き残っていくためには、経済合理性を考えた経営はもちろん必要でしょう。しかしながら厳しい環境の中にあっても、地域から求められる医療を誠実に行うとともに、医療を発展させる努力は、続けたいと考えております。富山大学は富山県唯一の医学部です。ぜひ、医師の育成、学生、研修医、専攻医、専門医、そして医学医療の進歩を担っていただき、我々医師、医療専門職への教育にも携わっていただければと思います。そして地域への安定的な医師の派遣や紹介を通じ、地域医療への貢献をぜひお願いしたいと思っております。もとより、医療というのは、社会的な基盤の一つで非常に重要なものです。そして、富山大学医学部は、あらゆる研究の拠点、地域医療の核ともいえます。地域医療の司令塔となっていただき、医学教育、専門教育、生涯教育の中心となっていただけますよう、そしてまた私たち医師会と連携を推進してお互いに進歩していけたらと思っております。富山大学医学部創立50周年本当におめでとうございます。これからも皆さんが医学と医療の発展の中で輝かれることを祈念しまして、私の講演を終わりとさせていただきます。本日はおめでとうございます。20(図4)

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