1975年の創立以来、富山医科薬科大学として始まり、今日に至るまで半世紀にわたり、医学の進歩と地域医療の発展に尽力してこられた富山大学医学部の50周年を心よりお祝い申し上げます。医学部設立の理念である「里仁為美」を胸に、仁の精神をもって地域社会に貢献し、世界中で活躍する医療人を輩出してきたことは、大変な誇りであり、称賛に値します。医師、看護師、保健師、助産師として4181名、1856名、2020名、140名をそれぞれ輩出し、医療、保健、教育、研究、行政など多岐にわたる分野で活躍されている卒業生の皆様の努力と成果に敬意を表しますとともに、卒業生の皆様が日本全国ならびに海外で活躍されている事を誇りに思います。私も産科婦人科学教授として1998年から2020年まで皆様方と一緒に医学部の運営に関わってきましたので、多くの思い出があります。その過程で新設医大としての苦しみを味わいましたが、徐々に成長していき、今では富山県や北陸地方でなくてはならない存在にまで発展しています。富山大学医学部は、かなり早い段階で国際認証を取得し、この度、国際認証を更新し、世界で活躍する機会を広げています。また、ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業においても、新潟大学との連携によるサマースクールの実施など、地域医療の充実に向けた取り組みを進めています。上越地域での医療体制が保たれるよう、両大学が協力しあう事を願っています。また地域医療の最後の砦として附属病院で最高の医療を提供し、富山県民の命を救ってきました。この事を誇りにしたいと思います。医学部設置50周年を記念して設立された「富山大学医学部基金」を通じて、医学部シミュレーションセンターの設置など、教育研究環境の一層富山大学長(前附属病院長) 齋藤 滋富山大学医学部の皆様、関係者の皆様へ の充実に努めていることにも注目しています。これからも、医学部のミッションである「地域と世界で活躍できる医療人の養成」を目指し、更なる発展を遂げられることでしょう。また、これからは海外の大学との連携を深めて、大学のグローバル化にも貢献していただきたいです。来年は、富山医科薬科大学、富山大学、高岡短期大学が統合して20周年を迎えます。設立当初は、3大学の融合は進みませんでしたが、近年になり医薬理工学環が大学院に設立され、大いに学部間の交流が進展しています。これからも学部を跨ぐ教育研究が産み出され、地域医療のみならず、地域産業創成にも成果を出していく事を願っています。今後とも、富山大学医学部の更なる飛躍と、関係者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。34
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